ソフトバンクの石川柊太投手が１０日の楽天戦（楽天モバイル）で先発する。９日はみずほペイペイで最終調整。チームが優勝へのカウントダウンへとひた走る中、“年イチの大仕事”を達成する予感を漂わせた。

　穏やかな表情でキャッチボールなどで汗を流した背番号２９。自身２連勝中だけに、言葉には自信が満ちていた。「終盤なんで、１試合１試合の重みとか空気感っていうのは違ってくる。自分の力を十分に発揮できるような準備に全力を注いでいるって感じですね」

　勝利の方程式を担っていた津森は不調、藤井は腰痛、守護神・オスナは復帰間近だが、代役クローザーを務めていた松本裕も右肩痛で離脱。それだけに１イニングでも長く投球することが必須だ。だが今季はリリーフもこなしている経験豊富な３２歳は、そこに固執しない。「この時期だとダメだったら早めに代えられる。ある意味開き直って、もうどんどん投げていかないといけないのかなって。小久保監督も言ってました。開き直れるだけの準備をちゃんとしていれば開き直れるって」。後先を考えず一球入魂で投球すると誓った。

　開き直った先にチームの団結と勝利が待っているという。「それぞれがそれぞれの役割を果たした時に勝利がくるっていうのが自分の団結の理論。結局、自分がノーヒットノーランしたらチームは勝ちに近づくじゃないですか。どんなに『チームのために』って声を上げても、四球を連発してホームラン打たれたらチームのためになんない。そういう世界」

　そんなマインドで少なくとも年に１回は大仕事を達成してきた。記者の「そろそろ、昨年のノーヒットノーランのようなことをする予感がする」との声に「（連勝中でパチンコに例えると）ハマってる台だからみたいな？」とまんざらでもない様子。そして「最後はどれだけ自分の中で…何て言うんすかね…都合よくマウンドで自信持って投げれるかだと思う。それで『大仕事ができた』と言えるように（投球）できればいいです」と気合を込めていた。

　★最近の石川の“年イチの大仕事”

　▼２０２０年　規定投球回未達ながら最多勝と最高勝率の２冠に輝く

　▼２０２１年　３月２６日の開幕戦（対ロッテ）で先発し、育成ドラフト出身選手初の開幕戦勝利

　▼２０２２年　４月１９日のオリックス戦でレギュラーシーズン１８連勝中だったオリックス・山本由伸に土をつける白星

　▼２０２３年　８月１８日の西武戦で自身初のノーヒットノーラン

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