ロッテ・菊地吏玖「とにかくゼロで次に繋げることを意識」磨いてきたストレートは「強さというところでは悪くないと思うんですけど…」

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2024.8.7(水) 09:27

ブルペンで投球練習するロッテ・菊地吏玖[撮影=岩下雄太]

 ファームで課題を持って取り組んできたロッテの菊地吏玖は、8月3日に再昇格を果たし同日のオリックス戦で2回を無失点に抑えた。

 菊地は5月4日に今季初昇格し4試合に登板して、6月1日に一軍登録抹消となった。降格後、ファームでは少ない球数で三振を取ること、ボールの力を出していくことを意識し取り組み、一軍で経験したことを頭に入れて、いつ一軍から声がかかってもいいように準備してきた。

 再昇格後、初の一軍マウンドとなった8月3日のオリックス戦、先頭の西川龍馬を2ボール2ストライクから145キロのストレートで空振り三振に仕留めると、続くセデーニョもストレート2球で追い込み、最後は144キロのストレートで見逃し三振、最後は来田涼斗を2ボール2ストライクからフォークで空振り三振に打ち取った。1イニング目の7回は15球中12球がストレートのパワーピッチング。

「5月に上がってきた時もそうなんですけど、情報がないとはいえプロのアジャスト能力が高いですし、一軍のトップの選手と対戦させてもらった時に真っ直ぐで(押し)通せていたというのは少なからず自信になっていると思います」。

 ストレートで押して、来田をフォークで三振に仕留めた場面については「(三振の)1球前に叩きつけてしまって、修正できたところはいいんですけど、あの日、フォークを全部叩きつけてしまった。抜けるよりはいいんですけど、1球で仕留めるようにならないと大事な場面では使えない。もっと突きつけないと行けないと思います」と反省した。

 菊地は2イニング目となった8回は走者を出しながらも、ストレート中心の投球で無失点に抑えた。

 磨いてきたストレートについて「スピードの割に空振りも取れたり、ファウルも取れているので、強さというところでは悪くないと思うんですけど、僕はまだ情報の少ない選手。情報を取られて対策されてきた時にそれ1本では抑えられないと思う。フォーク、カーブ、スライダーでカウントを取れて、空振りを取らないと行けないなと思います」と課題を口にした。

 目的意識を持ってファームで取り組んできたことが、一軍の舞台で出せたというのはあったのだろうかーー。

 「そうですね、ファームでの上がってくる最後の3試合、4試合も真っ直ぐをちゃんと通して、スライダーで打ち取ったり、カーブでカウントを整えることができた上で上がってきた。それが自信になっていますし、前回の経験も自信になっています」。

 ファームだった7月18日の取材で「5月31日のように痺れる場面で任せてもらえるピッチャーになっていかないといけない」と話していたが、痺れる場面で投げるために「1個1個の試合で結果を残して、それの積み重ねでしか、そういうところの信頼はないと思うので、1個1個やっていくだけかなと思います」とキッパリ。「一軍はゼロで抑えれば、○かなと思っているので、とにかくゼロで次に繋げることを意識しています」。結果を残し続けた先に、痺れる場面での登板が待っている。菊地が話したように、“ゼロ”で抑えていきたい。

取材・文=岩下雄太

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