◆パ・リーグ　ソフトバンク３―０オリックス（２７日・みずほＰａｙＰａｙ）

　余力十分の表情でソフトバンク・有原航平投手（３１）が今季チーム初完封勝利、そして自身初の両リーグ１０勝一番乗りのマウンドを降りた。２回１死、西川を打ち取った打球が左翼線二塁打になった以外は、二塁も踏ませない２安打１０５球。自身初のマダックス（９９球以下での完封）はならなかったが「難しいですね。いつかできたら」と、苦笑いを浮かべつつ、自身のＮＰＢ通算８０勝を喜んだ。

　過密ローテも何のその。２４日の球宴第２戦（神宮）で先発。負担を考慮して８月２日の日本ハム戦（みずほペイペイ）まで間隔を空けるプランもあったが、中２日の先発を志願した。「絶対この週末に投げたい。投げさせてもらえるからには勝ちたい」と闘志をたぎらせた。この日、母校の広島・広陵が４季連続の甲子園切符を手にした。「広陵の野球があったんで今がある。きょうは、めでたい日」と“Ｗ勝利”に胸を躍らせた。

　チームは今季１１度目の３連勝で、貯金を４日以来の「２８」に戻した。２８日のオリックス戦で引き分け以上なら、ロッテ、日本ハムの結果次第で、優勝へのマジックナンバー「４３」が点灯する。小久保監督は「いや、もう言うことありません」とエースを称賛しつつ、「マジック？　毎回同じ話、せんといてくれる？」と、報道陣を笑顔でけん制。カウントダウンを心待ちにした。（田中　昌宏）

　▼ソフトバンク２８日のマジック点灯条件　ソフトバンクが２８日の試合に○の場合はロッテ、日本ハムともに●か△。ソフトバンクが△ならロッテ、日本ハムともに●で、いずれもソフトバンクに優勝へのマジックナンバー４３が点灯する。

◆記録メモ

　有原（ソ）が今季初完封。両リーグ一番乗りで１０勝目を挙げた。両リーグ最速は自身初。パで１０勝一番乗りは日本ハム時代の１６、１９年に次いで３度目。２球団以上で１０勝一番乗りとなったのは小林繁（７６、７７年巨人、８０年阪神）、岩隈久志（０４年近鉄、０８年楽天）、涌井秀章（０７、１０年西武、２０年楽天）に次いで４人目となった。

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