今季初先発のロッテ・中森俊介「自分の持ち味は真っ直ぐ」チェンジアップは前回の二軍戦で「握りを変えていい変化」と手応え
ベースボールキング
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2024.6.12(水) 08:38
ブルペンで投球練習するロッテ・中森俊介(撮影=岩下雄太)
「今シーズン初先発ですが、いただいたチャンスをしっかりものにできるように。気を負うことなくいつも通りのピッチングをしたいです」。ロッテの高卒4年目・中森俊介は18時から行われるDeNA戦で今季初先発する。ファームではここまで7試合に登板し、1勝2敗、防御率4.50だが、5月の月間防御率は0.69で、前回登板の6月5日の日本ハム二軍戦は3回・39球を投げ、1失点だった。
日本ハム二軍戦では1-1の3回に先頭の平田大樹から空振り三振を奪った126キロのチェンジアップの抜けが非常に良かった。本人も「前回の試合から握りを変えていい変化してくれたので、良かったと思います」と手応え。
ストレートも良い。5月19日のDeNA二軍戦では「真っ直ぐは感覚がすごく良かったですし、空振りもまっすぐで取れていたのでそこはいい状態の証なのかなと思います」と、5回・58球を投げ、ストレートが46球。初回は14球中13球がストレートで、3回も8球中7球がストレートと力で押し、7奪三振中7奪三振、全てが勝負球はストレートだった。特に2-0の2回先頭の松尾汐恩に1ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた5球目の145キロインコースストレートが素晴らしかった。
中森は「あの球は厳しく投げられたと思いますし、今はインコースのまっすぐを意識しすぎずにあそこに投げられるというのはわかっているので、配球の組み立て方でインコースも使えるんだというのは相手バッターたちにも印象づいていると思うので良い傾向かなと思います」と、昨年参加したオーストラリアでのウインターリーグで課題として取り組んできた“右打者のインコース”を意識することなく、投げ切れるようになっている。
DeNA二軍戦で気になったのはカットボール。これまであまり投げていない印象を受けたが、中森によると「去年から投げていますね。カットボールはいいんじゃないかなと思います」と好感触。
「スライダーが大きいぶん、膨らんじゃうのでいいバッターになればなるほど見極められる。変化球もそうですけど、いかにまっすぐの軌道に乗せられるかだと思うので、そこを求めて行ったらカットボールが有効なのかなと現時点ではそういう考えに至っていますね」。
◆ 省エネピッチング
ここ最近の登板を見ると、少ない球数で打者を打ち取っている。
▼ 5月以降の中森のイニングと投球数
5月4日vs巨人 3回 27球
5月12日vsヤクルト 5回 76球
5月19日vsDeNA 5回 58球
6月5日vs日本ハム 3回 39球
中森は「いい傾向として球数が少ない時は良い状態だと思う。早いうちにバッテリー有利のカウントに持っていけるようにと思っています」と明かした。
「強気のピッチングというか、すぐに変化球に逃げちゃう癖があるので、自分の持ち味は真っ直ぐだと思いますし、そこを消さないように真っ直ぐ一辺倒になるんじゃなくて変化球も良い引き出しとして引き出しつつ、まっすぐでどんどん勝負していけるようにとはと思っています」。今季初登板でファームで取り組んできたことをしっかり発揮したい。
取材・文=岩下雄太