◆日本生命セ・パ交流戦　巨人１－４オリックス（９日・東京ドーム）

　オリックス・佐藤一磨投手（２３）が育成ドラフト入団では史上５人目となる初登板初勝利を達成した。巨人戦での偉業は史上初。営んでいるすし店を臨時休業して訪れた両親も、感無量の様子だった。

*********************************

　佐藤の父・大磨さんも母・真理子さんとともに、客席からプロ初勝利を見届けた。東京Ｄは、幼少期の佐藤とたびたび観戦に訪れた球場。「相手が菅野さんで、巨人で。でき過ぎでしょう。最高の結果を出したと思います」と笑みを浮かべた。

　神奈川県藤沢市ですし店「二代目　笑楽」を営む。師匠は「料理の鉄人」道場六三郎さん（９３）。佐藤本人も入団後に対面したことがあるという。店はもちろん臨時休業。道場さんからは大磨さんに「家でしっかり応援するから」と連絡があった。

　横浜隼人高の２年秋には、佐藤から「プロになりたくない。大学に行って、高校野球の監督になる」と打ち明けられた。とはいえ、１９０センチと恵まれた体格。同校の水谷監督や大磨さんらで「一磨をプロにするプロジェクト」が始まった。育成入団５年目にして、そのプロジェクトは大きな花を開かせた。「いいんですか、こんないい思いをして…」と試合後に対面して勝利球を贈られた大磨さん。大好きなすしを用意し、親子で祝宴を開くことを楽しみにしているはずだ。

関連ニュース

・【オリックス】佐藤一磨が育成ドラフト出身では初の巨人戦の初登板初勝利「全力で一球一球投げた」
・【オリックス】育成出身の左腕・佐藤一磨がプロ初登板初先発初勝利…支配下登録から１日後の快挙
・「緊張はガチガチにしています」支配下登録されたばかりオリックス佐藤一磨が９日・巨人戦でデビュー　
・【オリックス】由伸も推すネクストブレイク選手がプロ初勝利「うれしい気持ちが一番」紅林から受け取った記念球の行き先は
・【オリックス】中嶋聡監督「まだ早い。言ったらブチッと切れるんで…」プロ初登板の佐藤にも期待