楽天ドラ1左腕、2戦目でプロ初勝利に今江監督も期待!「まだまだおぼこいけど、球界を背負う選手になってもらいたい」

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2024.6.9(日) 06:00

プロ初勝利を挙げた古謝(右)は今江監督と笑顔でポーズ(カメラ・渡辺 了文)

◆日本生命セ・パ交流戦 中日2―7楽天(8日・バンテリンドーム)

 ようやくスタートラインに立てた。試合終了の瞬間、楽天・古謝樹投手(22)は笑顔でベンチを飛び出した。6回9安打2失点の粘投で、待望のプロ初勝利だ。「もう、うれしいの一言です」。先輩たちから次々にかけられる祝福の声に、端正なマスクは崩れっぱなしだった。

 プロ2戦目のマウンド。立ち上がりは緊張から制球が定まらず、初回2死からプロ初被弾を含む4連打を浴び2失点。それでも打線の大量援護を支えに、ゾーン内で強気に勝負した。出どころの見にくいフォームから、最速147キロを計測した直球やツーシームで凡打を誘った。「点差はあったんで、ワンヒットはOKくらいの気持ちで」。3回以外は毎回走者を出したが、腹をくくって攻めを貫いた。

 意識の高さは学生時代から変わらない。桐蔭横浜大時の同級生で、2人で温泉にも行くなど親交のある渡辺充さん(23)は「体に対する意識は常に高かった」と証言。本格的にプロを目指し始めた大学3年時から、野球部でのバーベキューでは酒を一滴も飲まなかった。プロでも開幕1軍こそ逃したが、共に2軍で調整していた田中将に「体力の使い方、ピンチになるとギアを上げたりとか」と試合でのペース配分を学んだ。

 今江監督も昨オフに監督として初出席したドラフトで、1位指名した“孝行息子”の力投に「親心というかね。まだまだおぼこい(=幼い)けど、ひと皮もふた皮もむけて球界を背負う選手になってもらいたい」と期待した。チームは今季最長5連勝で、交流戦4カード連続勝ち越し。最大9あった借金もあと1で完済だ。

 ウィニングボールはテレビの前で応援してくれた両親に贈る。「やっとプロでの一歩というか、始まったかな、と。1勝に満足することなく、これからもひたむきに」。古謝のプロ野球人生が幕を開けた。(西村 茂展)

 ◆古謝 樹(こじゃ・たつき)2001年8月18日、横浜市生まれ。22歳。湘南学院高では甲子園出場なし。桐蔭横浜大では2年春から神奈川大学リーグ戦に登板し、2年春、3年秋~4年秋と4度のリーグVに貢献。昨年7月には大学日本代表として日米大学野球に出場した。23年ドラフト1位で楽天入団。今季年俸1600万円(推定)。182センチ、75キロ。左投左打。

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