【ソフトバンク】「柳田塾のおかげで支配下登録されることができました」19年ドラ1が戦力外から復活秘話語った

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2024.6.4(火) 05:00

6月1日、広島戦に出場した佐藤直樹

 王貞治球団会長の「博多はいいよ~」という甘い言葉に誘われ、九州の都で暮らすようになって3か月。中洲のおいしい食べ物や美しい女性よりも「つくづくソフトバンク担当って移動が大変だな」ってことが身にしみる担当1年目です。

 例えばビジター楽天戦。日曜デーゲームを終え、選手らは囲み取材もそこそこにバスで仙台空港に向かい、福岡空港行き最終に乗り込む。記者はその後、どれだけ原稿を書き急いでも、最終便には間に合わない。デスクに「日曜の夜も国分町、ええご身分」とイヤミを言われるが、仕方のないこと。こちとら、好きで牛タンを頰張っているわけではないのだ。多分。

 3日付の本紙に午前7時起床の巨人・秋広が2軍戦の神奈川・平塚に向かったが、1軍昇格を聞いて急きょ埼玉・所沢へ…という記事が載っていた。読んだ記者は、06年WBCの米国戦でデービッドソン球審に抗議した王監督のように、大きくかぶりを振った。

 いやいやいや。ソフトバンクの佐藤直樹外野手(25)はもっと過酷だったんだから。

 5月31日午後10時。ビジターの2軍・阪神戦を終えて兵庫の宿舎で床に就こうとしていた育成選手・佐藤直に、井出外野守備走塁コーチから着信が。いわく「あす、支配下選手登録な。ついでに出場選手登録もするから。あと『1番・中堅』でスタメンな」。

 慌てて深夜の鳴尾浜球場で荷物を回収し、未明1時に就寝。浅い眠りから4時に飛び起きると、新大阪6時始発の「みずほ」に乗り、博多着は8時28分。9時にみずほペイペイに到着すると、あいさつもそこそこに9時半から支配下昇格の記者会見。10時に背番号「138」のTシャツ姿で練習を開始し、午後2時のプレーボールに間に合わせた。

 新幹線でうっかり寝過ごして鹿児島中央まで行ってしまわないよう、アラームをセット。さすが元JRマンのリスク管理と思いきや「一睡もできませんでした」。そりゃそうだわ。

 19年のドラ1が昨オフに戦力外通告を受けて育成再契約。「このままでは人として成長できない」と1月の自主トレで柳田の門下生となり薫陶を受けた。その師匠の右太もも裏肉離れによる長期離脱で出番が回ってきた。出直しの試合で先制のホームを踏むなど、1安打1盗塁の活躍でお立ち台の人となったのだ。

 ギータに「柳田塾のおかげで支配下登録されることができました。はやくギーさんが治って一緒にプレーできることを楽しみにしてます」とLINEを送ると、パイセンは「オマエが頑張ったからじゃけえ」と広島弁で返信をくれたんだとか。こんな話を聞いてジ~ンと来ない方がどうかしてる。

 という話をメジャー担当の安藤記者に得意げにしたら「僕は飛行機が遅延したおかげで、トロントからアトランタまで24時間かかったことがあります。途中ワシントンではロビーで寝ましたけど何か」だって。失礼しました! (ソフトバンク担当・田中 昌宏)

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