【オリックス】ドラ6プロ初勝利 開幕から15試合連続無失点奮闘実った チームの新人一番乗り

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2024.5.31(金) 05:00

プロ初勝利をあげた古田島成龍は、ファンに手を振る(カメラ・義村 治子)

日本生命セ・パ交流戦 広島2―8オリックス(30日・マツダスタジアム)

 佐藤広報に知らされ、古田島はプロ初勝利を自覚した。「本田が勝ち投手なのかなと思っていた。そこのルールが、あんまり分かっていなくて…」。チームの新人では一番乗り。開幕から15試合連続無失点の奮闘が、形となって報われた。

 2点ビハインドの6回に登板し、広島に傾きそうな流れを食い止めた。「毎試合、必死にやっている。いつ(点を)取られてもおかしくない」。先頭の坂倉に右前打を許しても崩れなかった。最後は2死一塁で代打・林を三ゴロ。危機感と常に隣り合わせの投球が、7回の大逆転劇を呼んだ。

 4月20日のソフトバンク戦(ペイペイD)のど派手なアクションが注目を集めた。延長11回に3四球を出し2死満塁、フルカウント。大ピンチで牧原大を二飛に料理し、帽子を投げて優勝を決めたようなガッツポーズを繰り出した。中嶋監督も「最初のうちは『うざいな…』と思ってたけど、何かあれが心地よくなってきた」と称賛。登板すると、SNSでは「毎回優勝」がトレンド入りし、ベンチ内でも「都市対抗優勝したぞ!」と沸くほど、熱血漢として認められてきた。

 闘志を前面に出すスタイルを後押ししてくれたのが、先輩の一言だった。開幕前に同じ境遇の社会人出身の阿部から「いい投手はたくさんいる。俺らのような投手は、気持ちを出さないとな」と助言を受けた。ほとんど外出することがなかった2月のキャンプで、そっと地鶏やフルーツサンドの差し入れしてくれたのも阿部先輩。優しさに触れ、1軍での活躍を誓った。

 聡美夫人が第1子となる女児を出産し、ちょうど1か月。「妻と子どもに渡したい」とマチャドにもらった記念球の贈り先は決めている。チームも今季初の同一カード3連敗を回避。ドラ6からの成功物語が幕を開けた。(長田 亨) 

 〇…オリックス・太田が汚名返上の一打を放った。1点差に迫った7回1死満塁で、右前へ逆転の2点打。「チームに迷惑をかけていたし、何とかしたい気持ちだけ」と力を込めた。2回の二塁守備では三ゴロを処理した横山聖の送球を捕球ミス。先取点につながる痛恨の失策を殊勲打で取り返した。今季初めて3番に入り、得点圏4割7分4厘の勝負強さ。31日からは2軍から杉本も合流予定で「みんな必死につなごうと思ってやっている」と思いを代弁した。

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