◆日本生命セ・パ交流戦　阪神２―８日本ハム（２９日・甲子園）

　かつて選手として大暴れした甲子園で日本ハム・新庄剛志監督（５２）が、がい旋勝利を飾った。指揮官として交流戦通算４試合目となった甲子園の阪神戦で初白星。就任１年目の２２年に３連敗を喫した聖地で見事に雪辱を果たした。

　サプライズパフォーマンスを試合前に繰り出して、岡田監督に先制パンチを見舞った。メンバー表交換時、三塁ベンチを出た時に着ていたのは背中に漢字で「新庄監督」、阪神で最初につけた背番号「６３」のユニホーム。真の目的は明かさず、ファンへのプレゼント用としてメーカーに背番「５」バージョンも含めて約１か月前に極秘発注した。

　苦笑いの岡田監督と握手を交わし、勢いで記念撮影も。日本ハム時代の０６年５月１８日の阪神戦（甲子園）で阪神のユニホームを着て守備練習して以来、公の場では６５８６日ぶりの縦じま姿にファンは沸いたが球団に伝えていなかったため「吉村本部長にあした（３０日）、たぶん怒られます。５番は着ずに近本君に渡そうかな。タイガース記念館（甲子園歴史館）に飾ってもらおうかな」とちゃめっ気たっぷりに笑った。

　本番ではスタメン起用したチルドレンが躍動した。２―１と１点リードの５回２死一塁、今季初めて２番で起用した万波が阪神・大竹から左翼席に６号２ラン。２点リードの７回１死一塁では代打・野村がヒットエンドランのサインに応えて左前打を放ち一、三塁。代走・五十幡が二盗成功で好機拡大すると、水谷がプロ初となる１試合３本目の安打を中前に落として２点を加えた。

　貯金は今季最多タイの８で、首位ソフトバンクと４差の２位。「こういうことをした時は僕は昔から試合には勝っていた。強いなー、ファイターズは変わったなーってスタンドのみんなも思ってくれたと思う。あした（３０日）も楽しみます」と胸を張った新庄監督。阪神ファンに就任３年目の成長ぶりを見せつけた。（阿見　俊輔）

　◆新庄監督と阪神のユニホーム　日本ハム時代の０６年５月１８日・阪神戦（甲子園）の試合前のシートノックに、００年在籍時の背番号「５」のユニホームで登場し、喝采を浴びた。その年限りで引退を表明していたため、ファンサービスの一環。しかし、翌日にはセ・リーグの審判団から口頭で「公式戦の練習着は、チームで決められたものでやってください」と厳重注意を受けた。

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