西武・ドラ1コンビが渡辺監督代行に恩返し「タフなゲーム」制して3886日ぶり監督勝利

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2024.5.30(木) 06:00

初勝利を挙げ、ウィニングボールを手に笑顔でナインを迎える渡辺監督代行(中)

◆日本生命セ・パ交流戦 中日0―1西武(29日・バンテリンドーム)

 西武・渡辺久信GM兼監督代行(58)が現場復帰後、2戦目で初勝利を飾った。中日戦の6回、22年ドラフト1位の蛭間拓哉外野手(23)の適時内野安打で1点を先制すると、21年同1位の隅田知一郎投手(24)が8回無失点の好投。1―0で逃げ切った。GMとして見いだした逸材たちの活躍で前回、指揮を執った2013年10月8日のロッテ戦(西武ドーム)以来3886日ぶりの監督勝利をつかみ取った。

 耐えて、しのいで、勝利をつかんだ。1点リードの9回1死一、二塁。長打が出ればサヨナラ負けの大ピンチで守護神・アブレイユが細川を投ゴロ併殺打に打ち取ると、渡辺GM兼代行はホッとした表情でコーチ陣とグータッチをかわした。「タフなゲームだった」と息をついた。

 「1点、2点をもぎ取る、イヤらしい野球をやりたい」。自らが目指す策を繰り出したのは6回だ。1死一塁で外崎にエンドランのサイン。二塁内野安打となったが、一塁走者・岸が好判断で三塁を陥れた。2死後、蛭間の適時内野安打で決勝点となる1点を挙げた。「何とか得点圏に走者を送りたかった」と同監督代行。少ない好機でまさに1点をもぎ取った。

 現場復帰2戦目で投打に活躍したのが、GMとして見いだしたドラ1の2人だった。21年1位の左腕・隅田が8回を4安打、無失点と好投。7回の打席で右脚をつりながらもテンポ良く低めに変化球を集め、相手打線をかわした。「隅田には『頑張れよとは言わない、完封しろよ』と。よく抑えてくれた」とほめた。打では浦和学院時代から注目していた22年1位の蛭間が執念の決勝打を放った。一塁へのヘッドスライディングは、リプレー検証の末に判定変わらずセーフ。「蛭間が何か事を起こすとベンチが盛り上がる。気持ちが出たよね」と声を弾ませた。

 26日のオリックス戦後、松井監督の休養と自身の監督代行兼任が決定。新背番号72のユニホームを採寸する時間がなく、3月のOB戦で着たものと同じサイズで業者に発注した。そんな慌ただしさの中でつかんだ3886日ぶりの監督白星。ウィニングボールを手に「今まで何も集めていない。これから考えます」と笑顔を見せたが、3位を見据えているだけに反省も忘れない。「(上位を)追いかけていく強いチームになっていくためには後半あと1点取らないとダメ。そこが課題」。借金はまだ15。帰ってきた勝負師の目が光った。(秋本 正己)

 ◆渡辺監督代行に聞く

 ―1点をもぎとった。

 「タフなゲームだった。(26日の)記者会見でタフな戦いになると言った通り」

 ―8回2死一、三塁で佐藤龍がカメラマン席に飛び込んで飛球を好捕。

 「みんな勝ちたい気持ちがあるのは本当にわかる。本当に強いチームになっていくためには後半7、8、9回でもう1点取りにいくくらいでないと。当然、相手の投手も気合入ってくるから」

 ―隅田の交代は。

 「(8回で)真っすぐが弱くなってきたところがあって、アブレイユに任せた。本来ならいってもらうところだった。ボール一つ一つを見たら、本当にお金を稼げる球を持っていますよ」

 ―11年ぶりの勝利。

 「明日勝たないと意味がない。きょうの流れでしっかり明日も」

 ―先発の武内への期待は。

 「完封」

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