◆パ・リーグ　日本ハム１２―３西武（１５日・エスコンフィールド）

　頭が混乱するほどの猛打だった。日本ハムが新庄政権最多の１９安打で、今季初の２ケタ１２得点。今季２度目の５連勝を飾り、今季最大の貯金７。新庄監督は「みんな（活躍して）…。もう覚えてないね」と上機嫌で笑った。

　浴びせたアーチは今季最多の計３発。大味に思える中で、勝機をたぐり寄せたのは“新庄トリック”だった。２回。２死一、三塁から一塁走者のスティーブンソンが投手が動く寸前にスタート。けん制で挟まれる間に三走の水野が本塁を陥れ、４点目をもぎ取った。初回こそ万波の３ランで先制したが、相手は昨季から４戦４敗の隅田。精神的に揺さぶることで立ち直る隙を与えず、４回途中６失点ＫＯへとつなげた。

　西武の一塁手はルーキーの村田。経験の少なさから三塁走者のケアが甘くなると読んでいた指揮官は「完璧。僕の判断がよかった」としてやったり。監督を「ある意味“同期”」と慕う３年目の水野も「まあ『出たな』って。準備していた」とサラリと任務を遂行した。

　１７日からは敵地でロッテ戦に挑む。「こういう試合の後の完封負けが野球では“あるある”。どんな方法でも１点を取りに行く」。余韻には浸らない。再びの朗希攻略へ、勝ってかぶとの緒を締めた。（堀内　啓太）

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