ロッテ・小野郁「怪我前くらいの信用を取り戻せるように」昨年5月に右肘手術
ベースボールキング
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2024.5.10(金) 09:39
ブルペンで投球練習するロッテ・小野郁[撮影=岩下雄太]
「怪我する前に戻れるようにまずはそこを目指して頑張っています」。昨年5月19日に右肘鏡視下クリーニング手術を受けたロッテ・小野郁は、一軍復帰を目指し、ファームで実戦を積んでいる。
小野は19年オフに楽天へFA移籍した鈴木大地の人的補償選手として入団し、移籍1年目の20年に40試合、2勝2敗4ホールド、防御率3.23の成績を残すと、同年から3年連続40試合以上に登板。22年は自身初となるオールスターゲームに出場するなど、150キロを超えるストレート、縦横に曲がる2種類のスライダーを武器にパ・リーグの強打者たちをねじ伏せ、同年44試合に登板して0勝0敗18ホールド、防御率1.99をマークした。
昨季は初登板となった4月2日のソフトバンク戦で失点すると、らしくない投球が続き、10試合に登板して、0勝1敗4ホールド、防御率4.66と5月4日に一軍登録抹消。同月19日に右肘の手術を受けた。
復帰を目指す過程で「怪我しない体づくり、ウエイトをちょっと増やしてやっています」と、力を入れた。
リハビリを経て今年4月6日の西武二軍戦で実戦復帰。この日のストレートは最速152キロを計測し、仲三河優太に投じた初球、空振りを奪ったインコースの129キロスライダー、さらに3ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた136キロのスライダーも縦に落ちる良い球だった。スライダーに関しては「ぼちぼち投げられているので、いいかなと思っています」と好感触。
その後は、4月17日のオイシックス戦で今季2度目の登板を果たし、4月25日の楽天との二軍戦で1回を無失点に抑え、ZOZOマリンスタジアムで行われた5月2日の日本ハムとの二軍戦では、昨年4月23日のソフトバンク戦以来となる本拠地のマウンドに上がり、1イニングをゼロに抑えた。小野はここまでファームで4試合・4イニングを投げ、0勝1敗、5奪三振、防御率9.00。
右肘手術から戻ってきてからの投球について「1年くらい空いているので試合の感覚を取り戻す感じで投げています」と明かし、現状は「5、6割くらいだと思います。もうちょっと(状態を)上げたいと思います」とのこと。
ストレートの強さについては「まだまだファウルもあまり取れていないので、もう少し強く投げられたらいいかなと思います」とまだ納得がいくボールが投げられていないようだ。
マリーンズに移籍してからはビハインドゲーム、勝ち試合と様々な役割をこなし、一軍のブルペンを支えてきた。「任されたところをしっかり抑えられるように少しずつ怪我前くらいの信用を取り戻せるように頑張りたいと思います」。長いシーズンを考えれば、小野の力は絶対に必要だ。ファームで登板数を重ねていき、1日も早く一軍のブルペンを支えて欲しいところだ。マリーンズファンも小野が一軍のマウンドに帰ってくることを待っている。
取材・文=岩下雄太