【日本ハム】宮西尚生流の「後輩との関係構築術」とは…中継ぎの流儀2024勇往邁進

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2024.4.27(土) 09:19

23日のイースタン・リーグDeNA戦に、5回から3番手で登板した日本ハム・宮西(カメラ・岡野 将大)

 日本ハム・宮西尚生投手(38)が26日、自ら記す連載「勇往邁進(ゆうおうまいしん)」で、後輩との関係性構築術についてつづった。キャンプから2軍生活が続く中、若手時代にコーチ、選手として共にプレーした吉井理人氏(59、現ロッテ監督)、中嶋聡氏(55、現オリックス監督)、金子誠氏(48、現ロッテ戦略コーチ)らの助言をヒントに“宮西流”を築き上げた裏側を明かした。

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 ■押し付けはダメ

 ファームでは一回り下の選手たちと汗を流しています。助言を求められる機会が多い中、押し付けないことを大事にしています。若手には「コーチ、先輩方に教わったのはこう」、「自分の経験上はこう」という2つを伝えます。1、2年目の時、吉井さんに「合わないと思ったらすぐに忘れろ」と言われていました。知識は与えるけど合う、合わないは人それぞれ。その指導法がすごくやりやすかったので、今もそうしてます。

 今年はルーキーの進藤とバッテリーを組んでいますが、若手捕手には中嶋さんの「投手に対して信頼はしていいが、信用はするな」という言葉を伝えています。この人なら大丈夫、抑えてくれると信頼はしていいが、構えた所に絶対来るとかそういう信用はするなと。セーブを挙げた20日の2軍戦後、進藤に言いました。投手は常にお前の要求通りに投げなあかんけど、いつも同じコースに同じ球が来ると思ったらアカンよと。(清水)優心や田宮にも「捕手は投手の性格も見ろ」と言ってきました。ハッパをかけた方が力を発揮するのか、慰めた方がいいタイプなのか。絶好調な日は年間で数試合。本調子ではない中で表情を見てリードしたり、真ん中に構えてあげたり。配球に答えはないです。抑えたらそれが正解になります。だからこそ、そこを教えるより雰囲気を察しての声かけやどう接するべきかを教えています。

 ■近く座り反省会 

 後輩とは元々全然絡まないタイプで、目配り、気配りもプロ入り前からできたわけではありません。若手の頃、試合後の食事会場では決まって金子さんや稲葉さんが『ここ(近く)に座れ』と試合の振り返りをしてくれました。それがすごく勉強になった。金子さんにはずっと「野手は守ってて、マウンドで逃げる投手に一番腹が立つ。投手の背中を見て俺らは守ってるのに、お前がビビって逃げてるようじゃ守る気が失せる。思い切って勝負しろ。奇麗な投球をしようとするな」と言われていました。だからこそ腕を振れたし「投げっぷりは野手に伝わる。リズム、流れはそこで生まれるから絶対に引くな」と。稲葉さんや鶴岡さん、(森本)稀哲さんなど野手の先輩方にも数え切れないほどフォローをしてもらい、ここまで来ました。してもらったことをつなぐ。自ずと今の形が出来上がりました。

 ■引き出し増やす 

 若手と食事に行くことも多いですが、調子のいい時はあえて連れて行きません。悩んでそうやな、雰囲気が暗くなってきてるな、と察した時に誘います。自分から野球の話はしないし、聞かれても答えを教えるのではなく「引き出しを増やす」感覚でいます。答えではなく、パーツをプラスしてあげる感じ。僕の話が全てじゃないし、合わなかったらやめていいと伝えた上で、いつかそういう時期が来た時に「引き出しとして持っておきな」と。その人の答えを、他人が分かるわけがない。押し付けだけは絶対にしない、それでも何とか力になってやりたいという思いで後輩の質問には答えています。明るいタイプ、寡黙なタイプ、若手も様々ですが、自分からしゃべりかけて気さくに話せる関係性を構築できるように意識しています。

(宮西 尚生)

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