【日本ハム】福島蓮がデビュー戦で5回5K2失点 高校の恩師も驚く「投手向きの性格」とは

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2024.4.18(木) 07:00

福島蓮

◆パ・リーグ 日本ハム4―4ソフトバンク=延長12回=(17日・エスコンフィールド)

 日本ハム・福島蓮投手(20)がソフトバンク戦でプロ初登板初先発し、5回4安打2失点、5奪三振と力投した。同点で降板し、NPB史上5人目、先発では4人目となる育成ドラフト出身のデビュー戦勝利とはならなかったが、開幕直前に支配下登録を勝ち取った高卒3年目が本拠地で第一歩を踏み出した。

 堂々、腕を振った。素質の高さを証明した。5回2死。福島は内角低めに消えるスライダーで周東を空振り三振に斬った。デビューマウンドで強打のタカ打線を5回2失点。最速151キロの直球を軸に5三振を奪い「いい緊張感で試合に入れた。2回以降は(伏見)寅威さんのリード通りに投げられた」と上々の72球に汗をぬぐった。

 球団史上初めて、育成ドラフトから1軍の先発マウンドに上がった191センチ右腕。初回こそ近藤、栗原に連続適時打を浴びて2点を失ったが、持ち前のメンタルで2回以降はゼロを並べた。圧巻は味方が同点とした直後の3回2死三塁。4番・山川にフルカウントから臆せず真っ向勝負を挑み、低めの150キロで見逃し三振にねじ伏せた。「初回以外、まっすぐは捉えられた感じがなかった。自信になりました」と胸を張る姿に「たいしたもんですよ。育成からはい上がってきて、このホークス打線を…。よく抑えましたよ」と新庄監督も惜しみなく拍手した。

 青森・八戸西高から21年育成ドラフト1位で入団。高校入学時は遊撃手だったが、小川貴史監督と同校OBで元日本ハム投手の中村渉コーチに才能を見い出された。「性格がピッチャー向きなんです。いい意味で深く考えていない。切り替えが抜群に早い。悪い結果を引きずるようなタイプじゃない」。プロ入り後から体重は12キロ増、直球は144キロからMAX153キロへと進化を遂げたが、投手に必要な気持ちの強さ、修正力の高さは当時から備わっていた。

 この日も初回以降は立て直し、引き締まった試合展開を呼び込んだ。北海道まで応援に駆けつけた2人の恩師の前で、確かな成長を示し「通過点だと思うので、もっともっと成長していけたら」と福島。新庄監督は「期待を持てる投球をしてくれた。次も行ってもらう」と次回も1軍で先発登板させる意向を明かした。大物感漂うデビュー戦。期待の新星が堂々のスタートを切った。(堀内 啓太)

 ◆小川貴史監督「『プロに行かせてよかった』と思えるぐらい成長してくれた。蓮が思っている以上に地元に夢を与えている。皆の誇りになっているよ、と伝えたい」

 ◆中村渉コーチ「本当のプロ野球生活がスタートした。これからはシビアな目で見られるし、厳しい世界が待っている。仕事として野球をやる厳しさを、まじまじと感じてほしい。誰もができる経験じゃないからね」

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