【西武】武内夏暉、12球団新人最速プロ初勝利!7回1安打0封 山下舜平大に投げ勝ち「球界を代表する投手に」

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2024.4.4(木) 05:00

プロ初勝利を挙げた武内(中央)は炭谷(左)、アギラーの祝福に満面の笑み(カメラ・清水 武)

◆パ・リーグ 西武3-0オリックス(3日・ベルーナドーム)

 西武のドラフト1位・武内夏暉投手(22)が12球団のルーキー一番乗りで初白星をゲットした。オリックス戦(ベルーナD)でプロ初登板初先発した左腕は、パ・リーグ3連覇中の王者に7回1安打無失点、7奪三振で二塁も踏ませない快投。同郷・福岡の剛腕、山下舜平大投手(21)にも投げ勝ち、85球の鮮烈なプロデビューを飾った。

 腕を振るしかない。誰もが硬くなるプロ初登板。「(初回)マウンドに上がったら緊張しました」と武内は振り返る。先頭の福田は二ゴロに打ち取ったが、続く西川を四球で歩かせて迎えたのは杉本。開き直って左腕を思い切り振り抜いた。内角低めへの149キロ速球で見逃し三振に。「あそこの三振で落ち着いて乗れたかなと思います」。自分を取り戻した。

 7回を1安打7奪三振2四球、無失点でプロ1勝を手にした。「緊張感のある中、楽しめて投げられた。力強さもそうですけど、制球もよかった」。最速151キロを出した直球がさえた。逆球もありながら、腕の振りが強いから打者が幻惑される。武器のツーシーム、チェンジアップといった変化球も低めに投げ込んだ。4回は杉本、森、頓宮といったリーグ屈指の強打者を3連続三振。同じ福岡県出身の山下との投げ合いも刺激になった。「先に点を与えない気持ちでした」。二塁も踏ませない完璧な85球だった。

 高校(八幡南)時代はMAX137キロも、大学で本格的にウェートトレに取り組むと、球速は153キロまで伸びた。昨年10月のドラフト会議では同じ東都大学リーグから武内を含め7投手が1位指名。「負けられないというか、自分が1番になってやるって気持ちが大きかったです」。その中で開幕ローテ入りしたのは武内だけ。大きなけがをせず、開幕を迎えた。

 大学1年時に足首の捻挫、2年時にふくらはぎの肉離れと相次いで故障に見舞われたことをきっかけに準備の大切さも痛感。大学時代は練習前に30分のストレッチを欠かさなかったが、プロ入り後も体のケアを怠らない。「しっかり準備をやってきているので、不安はあまりありませんでした。準備力です」と言葉を強めた。

 プロ初のお立ち台で「最高で~す」と声を張り「球界を代表する投手になりたい」とファンに誓いを立てた。ポケットには「両親にプレゼントします」というウィニングボールが。今季の12球団新人投手では最初の勝ち星。肌寒いベルーナD周辺の桜はまだ二分、三分咲きだが、武内夏暉という一番桜がきれいに咲いた。(秋本 正己)

 ◆武内に聞く

 ―観客がいる中での投球。

 「たくさんの声援があって勇気づけられたので感謝しています」

 ―気をつけた点は。

 「ムダな四球はなしで、積極的にストライクを取りにいこうとしました」

 ―4回の3者連続三振は。

 「強打者相手にも、腕を振ることを心がけて、ボール球でもいいボールがいっていたと思います」

 ―両親へ向けて。

 「ここまで支えてくださったので、ここから恩返しできるように頑張っていきたい」

 ―投球内容について。

 「初先発でこの投球ができたのは自信になるし、今後につながる」

 ―12球団の新人で初勝利。

 「これからなので、そこはあまり気にしません」

 ◆東都ドラ1の現状

巨人・西舘勇陽(中大)投 「7回の男」として3試合連続無失点を継続中

阪神・下村海翔(青学大)投 開幕2軍

広島・常広羽也斗(青学大)投 開幕2軍

ヤクルト・西舘昂汰(専大) 投 コンディション不良で2軍

中日・草加勝(亜大)投 右肘手術でリハビリ中

日本ハム・細野晴希(東洋大)投 開幕2軍

 【記録メモ)新人の武内(西)が初登板勝利。ルーキーで一番乗りの勝利となった。球団の新人で初登板勝利は22年の佐藤以来2年ぶり10人目。7回以上を投げて無失点は81年の杉本(完封)、22年の隅田に次いで3人目だが、被安打1は隅田と並び最少。

 ◆武内 夏暉(たけうち・なつき)

 ▽生まれ 2001年7月21日、福岡・北九州市生まれ。22歳。

 ▽球歴 小学校3年で野球を始め、八幡南高で甲子園出場はなかったが、国学院大3年秋のリーグ戦でMVPを受賞するなど東都大学リーグトップの投手に成長。昨年10月のドラフト会議で3球団競合の末、西武入りした。背番号21。推定年俸1600万円。

 ▽サイズ 186センチ、90キロ。左投左打。

 ▽ホークスファン 土地柄もあって子供の頃はホークスファン。ヤフオクドーム(当時)にも通っていたが好きな選手は「本多雄一選手(現コーチ)でした」。

 ▽名前の由来 7月生まれとあって「暉(き)が輝く意味もあり、夏に輝いてほしいという意味で名付けられました」。

 ▽趣味 国学院大時代から横浜市内の合宿所近くのサウナに通っていたという。西武の寮にもサウナがあるが「最近はあまり入っていません」。

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