楽天・今江監督が初勝利 12球団最年少指揮官を支える恩師の言葉とは

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2024.4.1(月) 05:30

初勝利を挙げ、声援に応える今江監督(カメラ・池内 雅彦)

◆パ・リーグ 楽天4×ー3西武=延長11回=(31日・楽天モバイル)

 腹の底から叫んだ。楽天の今江敏晃監督(40)が開幕3戦目に劇的サヨナラで監督初勝利を挙げた。同点の延長11回1死一、三塁。小深田の浅い左飛で三塁走者の辰見がスタートを切る。「いけーーー!」。思いが届き、辰見がヘッドスライディングで生還。すると次の瞬間にはベンチを飛び出しあっという間に歓喜の輪に加わった。

 「興奮しすぎてわけ分かんない。めちゃくちゃ声出しました。監督だから声を出さないとかないし、試合に出ていない選手もコーチ陣も本当に声を出してくれた」

 球団の監督で就任1年目の初勝利がサヨナラだったのは10年のブラウン氏以来。サヨナラ犠飛での1勝を「非常に印象深い初勝利になりました」と興奮が収まらない様子で振り返った。

 恩師の言葉を胸に監督初シーズンを戦っている。プロの壁を肌で感じていたロッテでの高卒4年目の05年。当時のボビー・バレンタイン監督から「いい打者なんだからもっと自信を持ってやったらいい!」と、何度も勇気づけられ、背中を押された。当時を「打席ではワクワクより恐怖が強かった。単純ですけど、細かいことを言わずに監督から信頼してもらえたことが本当にすごく大きかった」。自信をつけたその年、三塁のレギュラーをつかみ、日本シリーズではMVPを獲得するなど躍進した。

 自らが監督となり“ボビー流”を貫こうと決めた。「一振りにかけること、1球を投げることは本当に大変だし苦しい。とにかく前向きに、思い切っていけるように」と余計なことを考えず苦境に立ち向かえるよう言葉をかけている。生還した代走の辰見にもシンプルに「思い切っていけ」と声をかけた。

 初勝利を大興奮で手にしたが「1つ勝って、勢いに乗っていかないといけない」と先を見据えた。12球団最年少監督の夢はまだ、始まったばかりだ。(太田 和樹)

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