オリックス・山崎颯一郎[人生一度きり]「山崎も頑張っているから」と思ってもらいたい 故郷・石川を元気づける 

スポーツ報知

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2024.2.23(金) 05:00

今季は故郷・石川への思いも胸にマウンドに上がる山崎(カメラ・朝田 秀司)

 オリックス・山崎颯一郎投手(25)が、2024年はスポーツ報知に独占コラム「人生一度きり」を寄せる。元日にスタートした宮城大弥投手(22)の「一生百錬」と交互形式で、随時掲載。第1回は昨季までエースだった同学年のドジャース・山本由伸投手(25)との秘話に始まり、キャンプ地に大勢詰めかけるファン、能登半島地震に見舞われた故郷・石川への思いをつづり、新背番号21で臨むプロ8年目の活躍を誓った。

 スポーツ報知の読者の皆さん、初めまして。山崎颯一郎です。今年からコラムを担当させていただくことになりました。宮城とともに、温かい目で見守ってください。

 1か月もすれば、2024年のプロ野球が始まります。正直、由伸や(山崎)福也さんが抜けて、大変だと思います。また新しい戦力で、全員の力を合わせ、4連覇を目指すという気持ちで練習をしています。

 同期入団の由伸は、仲のいい同級生です。イタズラ好きで、ちょっかいをかけてきたり、なんだかんだで絡んできます。かまちょ、です(笑い)。若い頃は買い物に出かけて、ご飯を食べて、カラオケにも行きました。僕はコブクロ系で、由伸はET―KINGを歌っていた記憶があります。

 僕がトミー・ジョン手術を受けた19年、いつも通りに接してくれたのが由伸でした。「大丈夫?」とか変に気遣うのではなく、いつもと何も変わらない感じで。だから僕も気がめいることがなかったし、気持ち的に楽でした。何げない配慮ができる人間でもあります。

 昨年はオリメン投票(※1)で、1位になることができました。素直にうれしかったんですが、前年1位が由伸だっただけに、発表後に由伸をリリーフする時なんて、すごいプレッシャーになりました。エースの勝ちを消すわけにはいかないし、「絶対に打たれたらアカンな…」って。でも、抑えた時の声援が力になるし、次に向かうためのモチベーションになりました。

 僕は16年のドラフトで入団し、苦しかった頃のオリックスを知っています。2月のキャンプを思い出しても今のように、こんなに多くのファンの人はいませんでした。特に今年は平日でもいっぱいで、週末なんて本当にすごい。選手にとっては、ファンの存在を身近に感じられる機会になっています。「人気が出てきたんだな」と実感し、感謝する毎日です。この勢いに乗って、オリメンも2連覇したいです(笑い)。

 今年は思い切って金髪にしました。理由は、特にないんです(笑い)。本当は黒髪のまま全体にパーマをかけようと思っていたんですけど、予定変更。最初はブリーチで髪が傷んで、切れた髪の毛が排水溝に詰まったりして大変でした。でも、今は落ち着いてきたんで、しばらく黒髪に戻すことはないかなと思います。

 今年1月1日には、石川県で大きな地震が起きました。ちょうど実家の2階で猫を触りながら、テレビを見ていたんです。携帯の警報が鳴って、瞬間的に「家が崩れる」と思いました。震度は5強でしたが、さらに強い揺れが重なったイメージな上に、経験したことがない強烈な横揺れ。長さも異常に感じました。

 野球を見ている人だけになってしまうかもしれないですけど、僕ができるのはプレーで活躍して、たくさんの人を元気づけることです。「山崎も頑張っているから、僕も頑張ろう、私も頑張ろう」と思ってもらいたいです。募金活動に参加をしても「頑張ってください」とか「私も石川県民なので、一緒に頑張りましょう」とか、声をかけていただきました。力をもらい、頑張らないといけないと気持ちが引き締まりました。

 投手陣を見渡せば、ペータ(山下舜平大)には見れば分かる「すごさ」があります。うらやましいのは、東(晃平)の器用さ。変化球の感覚とか、僕は東のような器用さを持っていないので。レベルの高い環境の中でまだまだ成長していきたいですし、何より野球をするのが楽しいです。メカニズムについて考えるのも意外と好きで、例えば比嘉(幹貴)さんとフォームについて話したりします。意見を交わすのが好きなんです。

 そして、僕の中で目指すべきものの一つがスピード(※2)です。日本最速が165キロ。メジャーリーグを見ていても、160キロ超えの投手はゴロゴロいるので、全然満足なんてできないです。去年より球自体はいいですし、球の威力も安定するはずです。今の取り組みを続けていけば、ワンチャン(日本最速が)出るかな…という感じです。どの場面でも抑える。ノーアウト満塁にされても、点を取られないのがリリーバーの仕事。奪三振はロマンだと思っているので、奪三振率にもこだわりたいです。理想のリリーバーを目指し、とことん突き詰めてやっていきます。(山崎 颯一郎)

 ※1 毎年恒例「Bsオリ姫デー」の一環として「オリ姫が選ぶバファローズの推しメン(略してオリメン)」を球団が募集。2月に球団の公式LINEで投票が行われ、4月に順位が発表される。昨季の上位は〈1〉山崎颯、〈2〉山本、〈3〉山岡、〈4〉山崎福、〈5〉宮城。

 ※2 山崎は22年10月15日のCS最終Sのソフトバンク戦で160キロを2度計測。これが自己最速となっている。

 ◆山崎 颯一郎(やまざき・そういちろう)1998年6月15日、石川・加賀市生まれ。25歳。小学3年から「山代少年野球クラブ」で野球を始め、中学時代は「加賀ボーイズ」に所属。3年時にボーイズ日本代表に選ばれ、世界少年野球大会で優勝。敦賀気比では1年春からベンチ入り。2年春夏、3年春に甲子園出場。23年のWBC日本代表に追加招集され、世界一を経験。190センチ、95キロ。右投右打。年俸7000万円。

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