ソフトバンクのドラフト１位・前田悠伍投手（１８）＝大阪桐蔭＝が１５日、プロ入り初のブルペン投球で小久保監督を驚嘆させた。宮崎キャンプ第４クール初日に、昨年１２月の大阪桐蔭高グラウンド以来の投球。糸を引く直球がパーンとミットを鳴らした。「ワクワクしてました。すごく楽しかった。緊張はなかったです」。捕手を立たせて２０球を投げ終え、涼しい顔をした。

　背後で見守った指揮官は「ほ～」と声を漏らした。「率直にモノが違う。リリースが一定。どこイジるの？」と完成度に脱帽した。さらに「将来のエース候補として育てるのが我々の役目。（２軍コーチ陣に）『はよ上げろ』と言わんようにします」と自らの焦りを戒めるジョークを放ちつつ、今季後半の１軍デビューについて「全然可能性あると思いますよ」とジャッジした。

　練習中、同期のドラフト２位・岩井（名城大）からは「マーゴ」と呼ばれた。「まえだゆうご」を縮めまくった新愛称だ。チームには同姓の前田純、同名の板東湧梧がいるだけに、うまい命名と思いきや「岩井さんがたまに言うだけなんで。基本は前田か悠伍」と、にべもない。強心臓のルーキーはゆっくりじっくり、エースへの階段を上がる。（田中　昌宏）

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