【ソフトバンク】王貞治会長“ファンファースト”説く「目が合っただけで喜んでくれる」「敵にしちゃ困る」

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2024.2.11(日) 10:18

球場入りする王貞治球団会長(カメラ・馬場 秀則)

 ソフトバンクの王貞治球団会長が11日、宮崎キャンプの前半を総括し、小久保裕紀監督が「王イズムの継承」のひとつとして実践している連日のファンサービスをたたえた。

 新指揮官は今キャンプでほぼ毎日サイン会を開いており、多忙な時でも駆けつけたファンにブロマイドカードをプレゼントしている。現役時代や指導者時代に「俺のサインなんて価値がないんだよ」が口癖で、求められる限り色紙にペンを走らせていた世界の王も、まな弟子のファンファーストな姿勢に目を細めた。

 「やはりね、ファンの人ってね、自分と目が合ったというだけで喜んでくれるしね。そのときに『ニコっとしてくれた』とか。選手たちがそんなに(何とも)思わないことでも感激してくれるんですよね。ファンの人はわざわざ来てくれるんだから。普通に対応するっていうだけでいいと思うんですよね」

 会場で丁寧に一枚一枚サインをしたため、ファンに笑顔を向ける小久保監督のサービスこそ、まさに王イズムの継承だということだ。

 さらに王会長は続けた。

 「『サインしてくれ』って言われて振り払っちゃうと、逆に敵になっちゃうからね。敵にしちゃ困るんだよね。だから断るんでも『忙しいから後でね』とかひと言加えるだけで違うから。ウチはファンがだいぶ定着している。でも今年の2024年型のホークスの試合をより見たいと思う人を増やさないとね。だからファンサービスってのは我々の仕事の中のことなんでね。特別なことじゃないんだから。普通にやれる範囲でやりゃあいいんですよ」

 選手が練習で多忙を極め、疲労も著しいことは百も承知だ。それでも「仕事の中のこと」とファンに向き合うことが重要だと説いていた。

 そして山川らが練習でサク越えを連発し、ファンから温かい拍手をもらっていることにも触れた。

 「拍手をもらうの、うれしですよ。我々の時はスタンド入ったって拍手なんてしてくれない。今は練習でもスタンド入りゃ拍手するでしょ。そしたら選手も『よ~しもう一本』と思うからね。ファンの拍手はありがたいものですよ」

 SNSの時代、毀誉褒貶の声も大きい。だからこそ、よりファンを大切にするべきだと改めて力説していた。

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