楽天は１８日、球団創設２０周年となる節目の今季スローガンを「いただき！」に決定したと発表した。今江敏晃監督（４０）は「ファンの方たちと一緒に頂の景色を眺められるように、そしてお見せできるように思いを一つに向かっていきたい」と“いただき”への意欲を見せた。この日は仙台市内の球団事務所で監督・コーチ会議が行われ、ドラフト１位の古謝樹投手（２２）＝桐蔭横浜大＝、同５位の松田啄磨投手（２１）＝大産大＝の春季キャンプ１軍帯同も発表された。

　シンプルな平仮名４文字に決意を込めた。球団事務所でスローガンを発表した今江監督は「僕の好きな『頂点』という言葉からとりました」と経緯を説明。熱っぽい口調で「その中でもファンの方たちと一緒に頂の景色を眺められるように、そしてお見せできるように。思いを一つに向かっていきたい」と続けた。

　写真撮影時にはメガホンのようにも見えるデザインのパネルで「いただき！」を叫ぶように見えるポーズも披露。昨年の阪神では、岡田監督が意識し過ぎないようにと「優勝」のことを「アレ」と代用してきた「Ａ．Ｒ．Ｅ．」がスローガンに採用され、流行語大賞を受賞した。「阪神タイガースの『アレ』ではないですけど、いろんなフレーズに使いやすいように分かりやすい方がいいかなって。例えばヒーローインタビューとかでも『今日は勝利をいただきました！』とかいろいろ使えるんじゃないか」とファンサービスを大事にする今江監督らしく、遊び心も忘れない。

　いただきに立つためにも、２月１日から始まる春季キャンプではチームに競争を求める。正二塁手の浅村が西武時代の１４年８月３０日・オリックス戦以来となる三塁へのコンバート。二塁のポジション争いは、さらなる激化が予想される。「小深田、茂木、黒川、二遊間を守れる選手は全員狙いに来てほしい」と、選手名を挙げて奮起を促した。

　球団創設２０周年の節目の年。監督就任１年目でも、全力でその重責を果たす構えだ。「とにかく皆で一つになる。一人一人がしっかり自覚して、一人一人がアピールして、とにかくそれが一つになれば必ず頂の景色というものが見えてくるんじゃないかなと思います」。全員の力を結集し、２４年のパ・リーグは楽天がいただく。（太田　和樹）

　〇…この日行われた監督・コーチ会議では、能登半島地震の被災者へ、黙とうがささげられた。「イーグルスは東日本大震災があって、その時にたくさんの方に応援してもらって今があると思う。とにかく勇気や希望を与えられるような試合をしたい」と今江監督。また古謝、松田の１軍キャンプ帯同が決定。古謝は「東北の皆さんを勇気づけられるようにキャンプから持ち味をしっかり出していって、自分の投球で勇気づけれられれば」と語った。

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