長いペナントレースを戦う上で重要なリリーフ陣 ロッテの新外国人・コルデロに求められる期待通りの働き

ベースボールキング

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2024.1.7(日) 10:00

ロッテが獲得を発表したコルデロ

 投手力を中心にした守り勝つ野球で勝利を積み重ねてきたロッテ。リリーフの一角として期待される新外国人のジミー・コルデロが機能するか、しないかは、リーグ優勝を目指す上で非常に重要になってくる。

 コルデロを獲得した際、吉井理人監督は球団を通じて「メジャーでの実績十分でリリーバーとしてマリーンズにいい影響を与えてくれると大いに期待しています。動く速球にスライダー、チェンジアップ。いずれの球も一級品。頼もしい限りです」と期待を寄せた。

 コルデロは球団を通じて「マリーンズの一員になれる機会を与えていただいたことに心から感謝している。チームの勝利に貢献するために、私のスキルと知識を役立てられる可能性があるということに、とても興奮している。そしてマリーンズファンの皆さんにあらゆる機会で最高の感動を提供することを約束する。皆様と会えるのが楽しみです」と喜んだ。


◆ バリバリのメジャーリーガー

 コルデロはヤンキースでプレーした昨季、31試合に登板して、3勝2敗、防御率3.86、メジャー通算114試合に登板して、6勝7敗、防御率4.36とメジャーでの実績、そして経験は豊富だ。

 マリーンズのブルペンは昨季開幕から決まった形の“勝利の方程式”を採用せず、場面や状況に応じてリリーフ投手をうまく起用し、シーズン中は3連投した投手は誰もおらず、1週間に4登板以上した投手も益田(6月5日〜の週)、坂本(6月5日〜の週)、東條大樹(8月29日〜の週)3人で、益田と坂本の2人は6月3日から9連戦中だった。1年間戦い抜くためにブルペンをしっかりと登板管理している。

 黒木知宏投手コーチに昨年の秋季練習中に取材を行った際、昨季のような形が理想なのだろうか、それとも力のあるリリーフ3人を7回から固定して投げ切るのが理想なのか質問をぶつけると、「時と場合によるんじゃないですかね、絶対的なものがあったとしてもその選手が使い減りしてパフォーマンスが落ちたら結局、ゲーム壊れちゃいますよね。できるだけフレッシュな状態にしてあげたい。フレッシュじゃなかった時にどうしようか。バックアップメンバーは作っておかないといけない。全てを固定にするのではなく、固定ができるような運用の仕方がすごく大事かと思いますね」と、長いペナントレースを勝ち抜く上でチームとして、勝ち試合で投げられる投手を複数作りたい考えを持っているようだ。

 守護神・益田直也をはじめ、昨季ブレイクした西村天裕、坂本光士郎、ベテランの澤村拓一に若手の横山陸人、今年28歳を迎える東妻勇輔と中村稔弥、シーズン途中に支配下選手登録となりシーズン最終盤のブルペンを支えた澤田圭佑などがいる。そこにコルデロが、22年のタイロン・ゲレーロ、昨季のルイス・ペルドモのように、期待通り勝ち試合で投げて欲しい。

 外国人投手は“即戦力”として期待を受けて入団しており、ある程度活躍が求められる中で、コルデロが仮に機能しなければ、リリーフ陣の台所事情が苦しくなる可能性もある。ペルドモは開幕から勝ち試合で結果を残し続けたが、そうでなかった場合、益田、澤村の負担は開幕当初もっと増えていたはずだ。昨季に比べて西村、坂本、澤田と勝ち試合でも計算ができるリリーフが増えたとはいえ、コルデロが即戦力としての働きができるか、できないかでブルペン事情も変わっていきそうだ。

文=岩下雄太

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