楽天から海外ＦＡ（フリーエージェント）権を行使してメジャー挑戦を目指している松井裕樹投手（２８）がカージナルスから正式オファーを受けたことが１６日、分かった。ウィンターミーティング終了後に渡米しており、１４日（日本時間１５日）に行われた初交渉で複数年契約を提示された。米球界関係者によると、交渉後には家族とともに球団施設やセントルイスの街並み、生活圏のスーパーなどを見て回ったという。

　今季地区最下位に沈んだカ軍はチーム防御率がリーグ１２位の４・７９とブルペン陣の補強が急務で、通算２３６セーブをマークした守護神は格好のターゲットとなっていた。ＷＢＣで共に侍ジャパンのユニホームを着たヌートバーも所属しており、入団となれば来季は共闘する可能性もある。

　今オフのＦＡ市場で最大の目玉だった大谷のドジャース入りが決まったことで、救援陣の整備を目指す球団の動きも活発になってきた。今季ワールドシリーズを制覇したレンジャーズをはじめ、パドレス、カブスも左腕の獲得調査を進めている。手薄な左の救援投手の価値は高く、複数球団のオファーが舞い込む可能性が高い。

　松井裕は今後も米国に滞在予定で、他球団からのオファーを待つことになりそうだ。「できれば１２月中に決めたい」との意向を持っていただけに“年内決着”も現実味が出てきた。

　「まだまだ自分を成長させてくれる舞台があると思う」と憧れを抱いてきたメジャーのマウンド。日本が誇るサウスポーが、夢のマウンドに立つ権利をつかんだ。

　◆セントルイス・カージナルス　１８８２年創立。１８９２年からナ・リーグに加盟した。１９２０年代に３冠王２度のＲ・ホーンスビー内野手、４０～５０年代にかけ安打製造機のＳ・ミュージアル外野手を輩出。過去１９度のリーグ優勝で、ワールドシリーズ制覇は１１度。２００２～０７年は田口壮、２１年以降はＬ・ヌートバーが所属。今季は７１勝９１敗、勝率４割３分８厘でナ・リーグ中地区最下位に終わった。本拠地はミズーリ州セントルイスにあるブッシュ・スタジアム。

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