昨年の最優秀中継ぎ投手に輝いた平良が、今年は先発で１１勝。中継ぎのタイトルを獲得した後のシーズンに先発で１０勝以上は、入団１年目の０９年から２年連続で最優秀中継ぎ投手、３年目の１１年から５年連続で２ケタ勝利の摂津正（ソ）以来、２人目となった。

　昨年までの４年間は全てリリーフで通算２０３登板。先発は一度もなかった。１軍で複数年にわたってリリーフ専門だった投手が、初先発した年にいきなり先発で１０勝以上は、こちらも前記の摂津以来２人目だ。

　投球回数は昨年の５７回２／３から１５０回に増えた。短いイニングを全力で投げられるリリーフと違い、被打率は．１７８→．２１３。被本塁打も２本→１０本に増えたものの、首位打者の頓宮（オ）を６打数１安打とするなど、好打者を抑えて２ケタ勝利につなげた。

　他にも本塁打と打点で２冠の近藤（ソ）を７―１、同じく本塁打王のポランコ（ロ）１７―２に浅村（楽）２―０、最多安打の柳田（ソ）も１２―３。タイトルホルダー５人との対戦で計４４打数７安打の被打率．１５９。合わせて１１６本塁打の打者に許した一発は、ポランコの１本だけだった。

　▼…西武はセとの交流戦で６勝１２敗。０５年から始まった交流戦で初めて最下位に沈んだ。勝率は．３３３。９勝１５敗で．３７５だった０７年を下回る球団ワースト。

　▼…延長戦は●●△○●●●●●●●●。１勝１０敗１分けの．０９１と苦戦した。勝率は２試合で２分けの７９年を除くと、１勝８敗１分けで．１１１の１０年を下回り、球団では初めて１割に届かず。延長回の得点は計２０イニングの攻撃で２点だけ。

　▼…チーム本塁打は９０本でリーグ最少。パで最も少なかったのは１３年の８６本以来、１０年ぶりだ。個人の最多は中村の１７本。チームに２０発以上が不在は９９年以来、２４年ぶり。

　▼…中村は通算２０４２試合に出場して２０６６三振。プロ野球で初めて三振が２０００の大台に乗った。通算１０００試合出場は５２５人いるが、その中で試合数より三振が多いのは中村しかいない。

　▼…中村は０３年から２１年連続、栗山は０４年から２０年連続で安打。同一球団で２０年以上もそろって安打を続けたコンビは、野村克也と広瀬叔功（南海＝５６～７７年）の２２年に次いで、杉浦享と八重樫幸雄（ヤ＝７４～９３年）の２０年と並び３組目。

　▼…２０年８月１６日の楽天戦で２打数１安打デビューだった西川は、同９月２６日の楽天戦から今年４月３０日楽天戦（６打数２安打）の３打席目まで、連続シーズンの野手ワースト記録となる６２打席連続ノーヒット。なお、楽天戦での安打は通算１５試合で前記の３本だけ。

　▼…外崎は２６盗塁で１２本塁打。２０盗塁以上と１０本塁打以上の両方を記録したのは、今年セ・パ１２球団で外崎だけ。通算では１７～１９年に次いで４度目。現役では梶谷（巨）、柳田（ソ）、山田（ヤ）と並んで最多。

　▼…４月８日のソフトバンク戦で愛斗が初回先頭打者アーチ。先発１番で打った唯一の本塁打が、初回先頭打者本塁打のチーム通算２００号となった。広島の２２９本、巨人の２１０本に次いで３番目。パではロッテの１７１本を抑えて最も多い。

　▼…古賀は盗塁を６８度試みられ、刺したのが２８度の盗塁阻止率．４１２。パ規定以上の捕手７人中で１位だ。そのうち盗塁阻止は小深田（楽）２度、周東（ソ）１度。盗塁王の２人を刺したのは古賀だけ。

　▼…今井が１０勝で初の２ケタ勝利。楽天戦で無傷の６勝を稼いだ。同一カードでシーズン６勝以上の西武投手は、１８年オリックス戦で６勝の多和田真三郎以来。楽天戦は２１年から９連勝中。

　▼…１９年から高橋の勝利数は１０→８→１１→１２→１０勝。最近５年間で４度の２ケタ勝利は、１６年から昨年まで７年連続の１０勝以上、今年から米大リーグに移籍した千賀（メッツ）と、２人しかいない。

　▼…入団１年目の昨年１勝１０敗だった隅田が９勝１０敗。チームで新人から２年以上続けて２ケタ敗戦の負け越しは、三輪悟（７０年７勝１４敗、７１年４勝１０敗）、森繁和（７９年５勝１６敗、８０年１０勝１４敗）に次いで３人目。

（阿部　大和）

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