日本ハムから交換トレードでオリックスに加入した吉田輝星投手（２２）が２９日、大阪・舞洲の球団施設で入団会見を行った。背番号が「２３」に決定した右腕は同じ秋田出身である中嶋監督の下、再起を図ることを誓った。

　運命と受け止め、吉田が新たなスタートラインに立った。「僕は勝手に『秋田っぽさ』を感じていたんですが…。すごく男気があって、優しい監督さんというイメージです」。トレード発表から５日。「まだお会いしてないです」と、同郷の先輩指揮官と対面を心待ちにした。

　１軍の公式戦では欠かさず、あいさつに出向いていた。昨年は自己最多の５１試合に登板。「いい球を投げるようになったな」と褒め言葉が忘れられなかった。中嶋監督もかつて「秋田の宝やぞ」と表現したほど、高い潜在能力の持ち主。今季はわずか３試合の登板に終わっただけに「オリックスに来たら（球速は）遅い方だと思う。進化しないと生き残れないので」と復権への思いは人一倍だ。

　夏の甲子園で準優勝し、「金農旋風」を巻き起こしたのは５年前。送別会では同期入団の万波らが号泣してくれた。「礼儀だったり、人間的にもすごく成長させてもらった」と日本ハム球団、新庄監督らへの恩返しもモチベーションだ。「オリックスの吉田、と呼ばれるように。求められたところで結果を出したい」。山本、山崎福の２枚が抜けた先発でも、リリーフでも果敢に挑むつもり。中嶋再生工場の成功作として、プロ入り後の停滞をぶち破る。（長田　亨）

　〇…オリックス・小木田が吉田とチームメートの「橋渡し役」を買って出た。２学年下の後輩と同じ秋田生まれで、角館高、ＴＤＫ出身。オフの帰省時には会食する間柄だ。「一番話しやすいと思うので、助けられることがあれば助けたい」と協力を約束した。この日の契約交渉では３８登板が評価され、２０００万円増の３６００万円でサイン。吉田が慣れない大阪生活への不安をこぼしたことにも「やんちゃな子なので、大丈夫です」と太鼓判を押した。曽谷（明桜）、ドラフト７位・権田（ＴＤＫ）と秋田県人会で４連覇に貢献する。

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