ロッテ・澤田圭佑「リハビリがうまくできたシーズン」。「YouTubeを見て投げるようになった」投球を支えた新球スプリットチェンジ

ベースボールキング

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2023.11.18(土) 10:00

ロッテ・澤田圭佑 (C) Kyodo News

◆ 今季からロッテに加入

 「リハビリがメインでそこから実戦復帰に変わっていけたので、リハビリがうまくできたシーズンですね」。

 今季育成選手としてロッテに加入した澤田圭佑は、シーズン終盤マリーンズのブルペンに欠かせない存在を発揮した。

 16年ドラフト8位でオリックスに入団した澤田は、18年に47試合に登板して5勝0敗、防御率2.54という成績を残し、翌19年には17ホールドをマーク。昨季は6月にトミー・ジョン手術を受け、今季から「契約をしていただき感謝の気持ちで一杯です。絶対にチームに貢献して恩返しができるように精一杯、頑張ります」と育成選手としてロッテに加入した。

 昨年6月にトミー・ジョン手術を受けたが、「うまくいっていると思います」と通常は実戦復帰まで約1年〜1年半かかるところを今年5月10日のヤクルト二軍戦で実戦復帰、マリーンズ移籍後初登板を果たした。

 「リハビリがメインだったんですけど、試合に投げるにつれて実戦感覚を戻せるようにとやっていました」。

 7月6日の巨人二軍戦、7日のDeNA二軍戦で手術後初めて連投を経験するなど、登板数も増えていき、同月27日に「今シーズン、チームの戦力になることを目標としてきたので嬉しいです」と支配下選手登録を勝ち取った。


◆ 勝ちパターンでの登板も

 8月9日に移籍後初昇格を果たすと、同日の古巣・オリックス戦で移籍後初登板。ロッテの応援団からの初めての“澤田コール”に「すごく気持ちが入ります」と力に変え、0回2/3を無失点。12日の西武戦では1-2の9回に登板し、先頭のマキノンを150キロのストレートで二飛に仕留めると、続く外崎修汰を152キロのストレートで遊ゴロ、前の打席東條大樹から本塁打を放った中村剛也を153キロのストレートで空振り三振。その裏、佐藤都志也の適時打、荻野貴司の犠飛でサヨナラ勝ち。澤田は移籍後初勝利を手にした。「抑えられたので、よかったです」と、逆転サヨナラ劇を呼び込む13球だった。

 8月19日の楽天戦では、5-3の6回に登板し1回を3人で片付け移籍後初ホールドをマークし、一軍昇格後初の連投となった10月1日の西武戦では同日に特例2023で一軍登録抹消となった益田直也に代わり3-2の9回に登板しプロ初セーブをマークした。

 「正直、周りにはいい選手がいっぱいいるので、任せてもらえるとは正直思わなかったですけど、結果的にそこまでいけて、行くつもりではいたので、そうなったのは良かったのかなと思います」。

 澤田は移籍1年目の今季17試合、2勝0敗6ホールド、2セーブ、防御率1.08と抜群の成績だった。特に1イニングあたりの球数が非常に少なく、1イニングを20球以上投げた登板はわずかに3試合しかない。球数が少ないにも関わらず、奪三振はイニング(16回2/3)を上回る18奪三振。与四球もわずかに6個しかない。

 澤田は「三振は狙って取りにいっているので、うまく攻められれば三振が取れるんですけど、四球はどうなんですかね、苦しい展開で投げることが多くなったら、バッターも考えて粘ってくるのでそこはなんとも言えないですけど」と振り返った。

◆ Youtubeで学んだスプリットチェンジ

 今季の澤田を振り返る上で外せないのがスプリットチェンジだ。

 「マエケンさんのYouTubeとバウアーのYouTubeでスプリットチェンジを調べて、YouTubeを見て投げるようになったんですよ」と、今季から投げ始めた。

 「僕はチェンジアップが得意なんですけど、フォークが苦手なんですよ。マエケンさんのYouTubeはめっちゃわかりやすい動画になっていて、僕が投げられるようになるくらい動画になっています」と、メジャーで活躍する前田健太のYouTubeを見て独学で学んだ。

 「楽天・小深田が三振したインローに落ちるスプリットチェンジはマジで完璧だったです。あとはCSで柳田さんから空振りを奪ったスプリットチェンジと、左のゴンザレスが2ボールから空振ったのはめっちゃ良かったっす」と興奮気味に話した。

 オリックスを自由契約となり、ロッテには育成選手として入団となったが、支配下選手となり、最後は抑えを任される位置までのぼり詰めた。トミー・ジョン手術を受けた後、1年後、こういった活躍ができるという自身の未来を描けていたと話す澤田。来季はシーズン通しての活躍が期待される。

 その中で、秋季練習では「来年1年、1年間投げ切れる技術をつけられるように体の感覚を研ぎ澄ましながら、技術のレベルアップをやっています」と話し、来季に向けては「1年間通して今年のパフォーマンスを全試合超えていけるように頑張ります」と意気込んだ。

取材・文=岩下雄太

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