【西武】偉大なOB超えで母に恩返しを、育成ドラ3位の函館大有斗・川下将勲が仮契約

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2023.11.12(日) 09:06

母・美智子さん(右)の誕生日ケーキを前に笑顔を見せる函館大有斗・川下(カメラ・島山 知房)

 西武から育成ドラフト3位で指名を受けた函館大有斗・川下将勲投手(18)が11日、七飯町内のホテルで支度金350万円、年俸280万円(金額は推定)で仮契約した。同校OBの佐藤義則氏(阪急など)、盛田幸妃氏(大洋=現DeNAなど)といったNPBで名を残した先輩の背中を追いかける。将来はこの日誕生日を迎えた母・美智子さん(51)に野球で恩返しする。

 契約書にサインし、仮契約を終えた川下は大きな夢を口にした。「いずれは有斗で名前が知れ渡る選手になりたい」。ともにドラフト1位でプロ入りし、通算165勝を挙げた佐藤氏、脳腫瘍からの復活で「奇跡のリリーバー」と呼ばれた盛田氏(2015年死去)ら偉大なOBを超え、函館大有斗の“顔”になることを誓った。

 同校からは93年にダイエーから5位指名を受けた沢田剛氏以来、4人目のプロ野球選手誕生となる。理想の投手像を問われると「ストレートで三振をとれる選手になりたい。(球に)力がある平良(海馬)選手に投げ方を聞いてみたい」と球界を代表する豪腕に弟子入りを志願。186センチの左腕という希少な素材に下級生の頃から注目していた水沢英樹スカウトは「角度があって、(直球は)球速以上に感じる。プロに入ってから、さらにそこを磨いてほしい」と成長を期待した。

 仮契約の日が偶然にも母の誕生日と重なった。会見終了後にはサプライズでケーキが用意され、美智子さんは「こんな誕生日を迎えられるとは思わなかった。今まで生きてきて一番の誕生日」と感激。川下は「(女手ひとつで育ててくれた母に)試合を見に来てもらったりして、恩返ししたい」と決意を述べた。

 背番号は129に決定し、来年1月の新人合同自主トレからプロ野球人生がスタートする。遠く離れた函館から活躍を祈る母のためにも、まずは一日でも早い支配下契約をつかみ取るつもりだ。(島山 知房)

 ◆川下 将勲(かわしも・まさひろ)2005年4月3日、函館市出身。函館南本通小4年時に千代田ビクトリーズで野球を始める。本通中では軟式野球部でプレーした。函館大有斗高では1年秋からベンチ入りし、3年春から背番号1。今夏の南北海道大会で8強入りした。186センチ、72キロ。左投左打。家族は母、兄、姉。

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