エスコンでの秋季キャンプも残り２日となりました。第１クールから３日連続で来場者が１万人を超えたり、寒いなか開場前から列を作って並んでくださっていたり。この２週間、改めてファンの方々の熱量を肌で感じています。

　チームは今季出た課題を克服すべく、シーズン中に硬かったグラウンドの土を軟らかくしたり、地の利も生かしながら徹底的に守備練習に時間を割いています。プロは注目された時にいかにいいプレーができるか。連日これだけ多くの方に見られての練習は緊張感も違うし、最高の時間になっていると思います。人は誰かに見られたり、応援されるとやっぱり頑張れるし、踏ん張れる。個々の能力を伸ばす事を目的とした従来の秋キャンプとはひと味違い、ファンの力も借りながらチーム全体でレベルアップしている感じがしました。

　カメラを持ちながら球場内を歩き回っていると、たくさんの子どもたちの姿が目に飛び込みました。せっかくプロの練習を見に来てくれた皆には「選手がどんな意図で練習に取り組んでいるか、自分なりに答えを探してみて」と伝えたくなります。例えば打撃練習も「きれいなスイングだな」「遠くに飛ばしているな」と漠然と見るんじゃなくて「どこを注意して振っているんだろう」と深掘りして、おもしろがって見てほしい。正解を当てる事が目的じゃなく、頭で考えながら野球を見る楽しさをぜひ知ってほしいなって思います。

　また、選手の新たな一面を知れるのも、キャンプの醍醐（だいご）味ですよね。エスコンは他球場より座席とフィールドの距離が近い分、声もよく聞こえます。田宮選手がアメリカンノックであんなに叫んだり、１年目の奈良間選手があんなに声を出して盛り上げる選手だって事を知っていた方は少なかったんじゃないでしょうか。「この人ってこんなキャラなんだ！」と画面越しではわからない発見が、実はたくさんあります。

　やっぱり選手にとってはこのホームグラウンドで活躍する事が一番。来年３月。どれだけの仲間が（１軍の）エスコンに帰って来るのか、注目したいと思います。（谷口　雄也）

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