【独占メッセージ】オリックス・山本由伸 世界最高のリーグで通用する選手を目指し、夢を追いかけます

スポーツ報知

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2023.11.6(月) 05:35

笑顔であいさつする山本由伸

 オリックスは、阪神に敗れた日本シリーズ第7戦の試合後、山本由伸投手(25)の今オフのポスティングシステムの利用を承認したと発表した。日本ラスト登板となった第6戦ではシリーズ史上最多の14奪三振で1失点の完投勝利。夢への一歩を踏み出した右腕は、スポーツ報知に独占メッセージを寄せ、周囲への感謝と米挑戦への胸の内を明かした。

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 まず日本一になれなかったことがすごく悔しいです。負けたら終わりの第6戦は、何とか次につなぐ気持ちを持って投げました。最後にみんなで中嶋監督を胴上げできれば良かったんですが…。とにかくポスティングを認めていただいた球団に感謝しかありません。一人の選手として応援していただき、理解していただき、本当にありがたいと思っています。

 チームメート、スタッフ、首脳陣に恵まれ、こんなに幸せな環境はないと感謝しています。一方で、僕には次の目標がありました。公にはしてきませんでしたが、プロ3年目を終えた契約交渉の場で初めて、メジャーへの思いを伝えました。

 とはいえ、当時はまだまだ先の話でした。僕自身もレベルアップを含め、挑戦できるまで5年ぐらいかかるかな…と考えていました。いろいろな情報を耳にし、ポスティングシステムのルール(※1)を知りました。海外の選手がメジャー契約を結ぶことができるのが25歳以上。僕も25歳になり、いよいよそのタイミングが来たのかなと感じていました。

 高校時代の目標はプロ野球選手になることでした。ドラフトで指名されなければ、社会人に行くつもりでした。でもプロに入り、自主トレで筒香嘉智さん(※2)と出会ってから、意識が変わりました。「世界一の選手にならないといけない」。筒香さんの言葉や向上心には、ものすごいパワーを感じました。日本球界を飛び越え、世界の頂点を目指す選手が身近にいてくださったお陰で、僕の気持ちにも変化が生まれていきました。

 大きな刺激を受けてからは「メジャーのマウンドに立つならもっとこうならないといけない」「このままでは通用しない」など、具体的なイメージが湧き、想像しながら練習を積んできました。今年3月のWBCでは、バリバリのメジャーリーガーとの対戦も実現しました。スピード、パワーはすごいし、やっぱり格好良かったです。ボールパークの雰囲気も独特で、例えばメキシコのファンは、本当に熱狂的。耳元でずっと叫ばれている感じでした。

 高校時代から熱心に僕を見てくれた担当スカウトの和男さん(山口アマスカウトグループ長)、監督時代から僕のフォームを心配し、気遣ってくれた福良GM。中嶋監督は最初は怖い人だと思っていましたが、優しさに気づき、愛を感じました。オリックスが大好きですし、寂しさもあります。恩返しをするためにも、世界最高のリーグで通用する選手を目指していきたいと思います。

 今年に入り、ある野球少年から「メジャーに行くんですか?」と質問されました。「どうすればいい?」と聞くと、真剣な目で「オリックスにいてください」とお願いされました。それだけ応援してくれている。オリックスを愛してくれているんだと、胸がいっぱいになりました。ただ、僕はもっと野球がうまくなりたい。いいボールを投げたい。それをずっと突き詰めてきました。常に1番になるという目標を成し遂げるなら、まだまだ足りないものだらけです。どんな時でも背中を押してくれたファンへの感謝は絶対に忘れず、夢を追いかけていきます。

(山本 由伸)

※1 18年オフのルール変更でメジャー球団が25歳未満の海外選手を獲得する場合は、マイナー契約(メジャー出場は可能)しかできず、移籍の譲渡金は、1~2億円ほどと言われている。NPB球団としても見返りが少なくなる。

※2 山本は師事するトレーナーの縁で、プロ1年目の17年オフから筒香(米ジャイアンツ傘下)と合同トレ。矢のような器具を投げるジャベリックスローやブリッジ、倒立などもここで学んだ。

 ◆山本 由伸(やまもと・よしのぶ)1998年8月17日、岡山県生まれ。25歳。都城(宮崎)では甲子園出場なし。2016年ドラフト4位でオリックス入団。19年に最優秀防御率、20年に最多奪三振。21年から3年連続で最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率の投手4冠。沢村賞も3年連続受賞。ノーヒットノーラン2度。21年東京五輪、23年WBCで侍ジャパンの世界一に貢献。178センチ、80キロ。右投右打。

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