中嶋聡監督 [写真＝北野正樹]

SMBC日本シリーズ2023第6戦
○ オリックス 5 － 1 阪神 ●
＜11月4日・京セラD大阪＞

　日本シリーズ第6戦はあとがないオリックスが快勝。対戦成績は3勝3敗の五分となり、日本一の行方は第7戦（京セラD大阪）に持ち込まれた。

　第1戦で6回途中7失点でノックアウトされていた先発・山本。雪辱といきたいリベンジマッチは初回こそ3者凡退の好スタートを切ったが、2回に5番・ノイジーに右越えソロを浴び初戦に続き先制を許した。続く6番・佐藤輝、7番・糸原にも安打を浴び3連打。一死一、三塁のピンチを招いたが、8番・木浪を空振り三振に仕留めるなど最少失点で切り抜けた。

　逆転してもらった4回は二死一、三塁で1番・近本に右翼後方への大飛球を許したが、右翼・森がフェンス際で好捕。バックの好守にも助けられながらゼロを刻んだ。5回は2番・中野、3番・森下を連続三振に仕留めるなど、初回以来の3者凡退。4－1と3点リードに変わった6回もテンポ良く3者凡退で終え、7回は二死から連打を浴び一、二塁のピンチを招いたが3番・森下を二飛に仕留めゼロを刻んだ。

　8回は再び3者凡退で終えると、4点リードの9回もマウンドへ。先頭の糸原から日本シリーズタイ記録となる13個目の三振を奪うと、一死後、代打・渡邉諒を見逃し三振に仕留め14奪三振の日本シリーズ新記録を樹立した。山本は負けられない大一番で9回138球、9安打1失点の力投。待望の日本シリーズ初勝利を完投で飾った。

　オリックス打線は1点を追う2回、7番・杉本の天井直撃の二塁打などで好機を作り、9番・若月の右前適時打で同点。なおも一死一、三塁で1番・中川圭が左犠飛を打ち上げ2－1と逆転した。5回は紅林が、3番起用に応える中越え2ランを放ち4－1。8回は5番・頓宮が、このシリーズ2本塁打目の左越えソロを放ち力投するエースを援護した。

　中嶋監督は試合後「タイにできてよかったです」と安堵の表情。山本の投球内容について問われると「前回やられましたが、山本由伸が2回連続でやられるわけがないと信頼して出しました」と話し場内から大きな拍手が沸き起こった。9回138球の力投。「球数もいってましたが、この試合は全部、由伸にかけました。リミットはないよと言っていた」と完投劇の舞台裏を明かした。

　CSファイナルステージを突破したあと「熱いゲームを絶対やりたい。みなさんが待ち望んでいた関西シリーズを熱く盛り上げたい」と語った通り、関西決戦は3勝3敗で最終第7戦へ。2年連続日本一へ指揮官は、「ここまでいいゲームができている。明日は決戦になる。声からして、のど飴もってしっかり応援してください」と力を込めた。