【オリックス】宗佑磨「つないでつないで」中嶋スタイルを体現 甲子園のオリ党に「応援聞こえていますよ」
スポーツ報知
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2023.11.1(水) 05:00
◆SMBC日本シリーズ2023第3戦 阪神4―5オリックス(31日・甲子園)
「SMBC日本シリーズ2023」は31日、第3戦が行われ、オリックスが5―4で阪神を下し、連勝で2勝1敗とした。今季6勝無敗の6年目・東晃平投手(23)が5回1失点で、育成ドラフト出身4人目の日本シリーズ先発勝利。打線は1―1の5回、今シリーズ無安打だった宗佑磨内野手(27)の2点二塁打など、得意の集中打で3点を挙げた。1点差に迫られて迎えた9回は平野佳寿投手(39)がしのぎ、シリーズ史上最年長セーブ。本拠地・甲子園に舞台を移した阪神だが、守備が乱れて逆転負けした。
完全アウェーの空気でも、ナインの集中力は研ぎ澄まされていた。流れをたぐり寄せたのは、不振に苦しむ宗だった。2―1の5回2死一、二塁。フルカウントからの8球目、左腕・伊藤将の高め142キロ速球をミート。「打てる気配がなかったんですけど、最後は気合で」。今シリーズ12打席目で生まれた初安打は値千金の右中間2点二塁打。敵地の大歓声に「服、揺れるんちゃうかぐらい、びりびり来ます」と苦笑いしたが、スコアボードに「3」を刻み、虎党を黙らせた。
宗の会心の一打の前には、中嶋監督がタクトで試合を動かした。先頭の紅林が右前打を放つと、続く若月へ2ボールから出したサインはエンドラン。中前打で一、三塁に好機拡大。広岡は内野が定位置の状況で内角球をしぶとく遊ゴロにして、1点を勝ち越した。それぞれが役割をきっちり果たした5回の攻撃に、指揮官は「つないで、つないでというのがスタイルですので。いい集中力を持って、やれている」と、うなずいた。
集中打が猛牛打線の真骨頂だ。リーグ3連覇を決めた9月20日のロッテ戦(京セラD)は2点を追う7回に6安打で6得点。1敗で迎えた10月29日の日本S第2戦(同)も4、7回に3点を加えて快勝した。今年のレギュラーシーズンの1イニング3得点以上は64回で12球団中2位(1位は阪神)。総得点508は同7位だけに、際立つ。小谷野打撃コーチは「塁に出る、送る、かえすといった役割を個々が理解してくれている」と目を細めた。
ホットコーナーを任される背番号6は守備でも好捕を連発。7回に1点差とされ、なおも2死一塁では大山の痛烈なゴロを優れた打球反応でグラブに収めた。“逆シリーズ男”も返上し「勝利に貢献するっていうことのみを考えている」と、満面の笑みを浮かべた。
試合前の円陣で「(客席からの)声がすごいやろうけど、自分の声援やと思って」と鼓舞した指揮官。その言葉通りに敵地・甲子園のグラウンドで躍動する選手たちを「本当の意味でしびれました。死力を尽くしてと言いますか、全員の力がよく出た試合かなと思います」とたたえた。宗はヒーローインタビューで左翼席の一角に陣取るオリ党に向け、「応援聞こえていますよ! 明日も頑張ります」と感謝の思いを届けた。爆発力ある打撃陣が一気に王手へ導く。(小松 真也)
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