【オリックス】中嶋聡監督“神継投”で日本S王手!前夜「引っ張りすぎ」から一転パCSタイ5人で0封
スポーツ報知
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2023.10.21(土) 05:00
◆2023 パーソルクライマックスシリーズ パ・ファイナルステージ第3戦 オリックス2―0ロッテ(20日・京セラドーム大阪)
「2023 パーソル クライマックスシリーズ パ」の最終ステージ(S)の第3戦は、オリックスがロッテに競り勝ち、3勝1敗(アドバンテージ1勝を含む)として3年連続の日本シリーズ進出へ王手をかけた。ブルペンデーで臨んだロッテから、両軍無得点の8回に若月と代打・頓宮の適時打で2得点。逆転負けした第2戦で「(先発を)引っ張りすぎた」と悔いていた中嶋聡監督(54)は、5回無失点の東をスパッと代え、5投手による完封リレーを完成させた。
中嶋監督が幸せな苦笑いを浮かべた。「なんか、こういう展開が似合いますね。これがウチの野球なんだろうな、って思いながら…」。3年連続の日本シリーズ進出、阪神との59年ぶりとなる「関西決戦」にも王手。迷いなき勝負手が導いた。
反省の6回が生きた。5回無失点、76球だった東を下げ、継投を選択した。19日は6回2死から連続四球を与えた先発・田嶋を続投させて逆転を許した。試合後に「俺のミスです」と采配に自ら触れ、潔く責任をかぶった。悔しかったのは選手も同じ。リリーフ陣が起用に応えた。
試合前練習では山岡を呼び止めた。前日は平野佳の代役で1点リードの9回に登板し、2失点で負け投手になった。セットポジションで被打率が高いことを気にかけ、体重移動について助言した。「平野さんのすごさが分かりました」と、つぶやいた山岡は前夜、1時間以上の筋力トレーニング。平野佳からは無言でポンポンと尻を叩かれ、打たれても引きずらない心を教わった。
最上の準備をする姿は、中嶋監督も知っていた。「もう、早くにやった方がいいでしょ」と7回に登板機会を与えた。0―0で1死球を出したものの、無失点で雪辱。「監督がリベンジする機会を与えてくれた」と感謝した。
8回を無失点に抑えた宇田川は大事な最終盤で上昇中。平野佳には変わらぬ安心感があった。5投手によるCSの完封勝利は、パ最多タイ。中嶋監督は「つなげなきゃいけない、もう一回、やらないといけない。しっかりまた対策します」と第4戦に目を向け、すぐ勝負師の顔を取り戻した。全員でつかんだ会心の白星。一つになったオリックスは、やはり強い。(長田 亨)
【記録メモ】
▼…オリックスが3勝1敗として日本シリーズ出場に王手。シリーズ出場をかけたプレーオフ(PO)とCSで、今年の阪神まで先に王手をかけた延べ43チームのうち、40チームがシリーズ進出。ただし2勝1敗から王手をかけたケースでは、8チーム中の6チーム。10年ソフトバンクと12年中日が、3勝1敗から3連敗した。
▼…5投手を起用して2―0の完封勝利。POとCSで最も多くの投手を起用した完封勝ちは、07年第1S〈1〉戦の中日、17年最終S〈3〉戦のDeNAで7人。パで5人は12年第1S〈2〉戦の西武、昨年最終S〈3〉戦のソフトバンクと並び最多。
▼…5投手をリードした捕手の若月が3安打。8回の先制タイムリーが勝利打点になった。POとCSの完封試合で決勝打の捕手は、13年最終S〈3〉戦の嶋基宏(楽)以来、2人目。
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