【ロッテ】安田尚憲2安打3打点「粘って粘って取れた」CS史上初の“5転試合”制して1勝

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2023.10.20(金) 05:00

オリックスに逆転勝ちし、ナインを迎える吉井監督(左端=カメラ・渡辺 了文)

◆2023 パーソルクライマックスシリーズ パ・ファイナルステージ第2戦 オリックス5―6ロッテ(19日・京セラドーム大阪)

 「2023 パーソル クライマックスシリーズ パ」の最終ステージ(6試合制)の第2戦が19日、京セラドーム大阪で行われ、ロッテがオリックスに土壇場の9回で逆転勝ちし、CS最終Sの連敗を10でストップ。対戦成績を1勝2敗(オリックスのアドバンテージ1勝含む)とした。1点を追う9回に安田の適時二塁打で同点とすると、山口が決勝の中犠飛。安田の2安打3打点の活躍でCS史上初の“5転試合”となったシーソーゲームを制し、オリックスの日本シリーズ進出王手に待ったをかけた。

 打球がアンツーカーで不規則にはねて一塁線を抜けるとロッテ・安田は全力で二塁に向かった。二塁走者・和田が快足を飛ばし生還すると、二塁上で右拳を突き上げた。安田は「最後まで粘って粘って取れた試合。いいところで打てて良かった」と汗を拭った。

 1点を追う9回無死二塁。安田が山岡のスライダーを捉える右前へ適時二塁打。同点に追いつくと、1死三塁。今季は1打数無安打も、昨季対戦打率5割7分1厘の“山岡キラー”山口が中犠飛を放ち逆転に成功。2度逆転を許したシーソーゲームを制し、1勝を勝ち取った。

 この日も「スーパー安田」だった。1点を追う6回2死二、三塁の第3打席。田嶋のチェンジアップをバットの先で右前へと運ぶ技ありの2点適時打で一時逆転に成功した。

 ソフトバンクとの第1S初戦の6回には、2球続けてバント失敗の後に適時二塁打。第1S最終戦ではサヨナラ打で最終Sへと導いた。2年前のCSではスタメンは1試合のみで代打に甘んじていた24歳が吉井監督から「スーパー安田」と命名され、この日も2安打3打点。指揮官も「うちの投手事情を考えると延長になると無理なので、あそこで決めなきゃという感じだった。結果出してくれてよかった」と最敬礼だった。

 ヤクルト・村上、日本ハム清宮と同世代。4年目の21年には開幕4番を任されるなどブレイクしかけたが続かなかった。昨年、村上が3冠王を獲得し「すごく勉強になる」と話していたが、負けじと大事な試合を自らのバットで決めるだけに成長した。

 9月終盤には不調に陥ったがCS最終Sでの打率は4割2分9厘と好調。10月に入り福浦ヘッド兼打撃コーチから助言を受け、チューブを上半身に巻きながらのティー打撃を開始。バットが体から離れないように心掛け「そこから調子も良くなったかな」と効果てきめんだ。

 これでアドバンテージを含め1勝2敗。0勝2敗となった時点で突破率は0%だが、「野手が集中力が高くなってきた。チームは少し前に進んだ。ハッスルプレーをしてほしい」と吉井監督。20日はブルペンデーで沢村が先陣を切る。逆転劇を自信に「0%」を突破しにいく。(小田原 実穂)

 ◆記録メモ 最終Sの連敗10でストップ ▼…初戦に敗れたロッテが勝利。13年〈3〉戦から続いていた最終Sの連敗を10でストップさせた。これでオリックスに1勝のアドバンテージを含め、対戦成績は1勝2敗。4勝先勝制となった08年以降のCS最終Sで(3勝先勝制の20年パは除く)、0勝2敗から1勝したのは延べ7チーム目。過去6度(パ4度、セ2度)のうち、逆転で日本シリーズに進出は17年のDeNAだけ。これまでにパでは1度もないが、今年のロッテはどうか。

 ▼…この日はロッテが表の攻撃で1、6、9回、オリックスが裏の攻撃で1、7回にリードを奪う形勢逆転の“5転試合”に粘り勝ち。プレーオフとCSでは、17年パ最終S〈3〉戦(ソ○7―5●楽)の“4転試合”を上回るシーソーゲームを制した。

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