ロッテ、苦手・山本由伸から5点奪うも…投打が噛み合わず
ベースボールキング
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2023.10.19(木) 10:28
中村稔弥からボールを受け取る吉井監督 (C) Kyodo News
CSファイナルステージ第1戦○ オリックス 8 - 5 ロッテ ●
<10月18日・京セラD大阪>
劇的勝利でファーストステージを突破したロッテは、オリックスとの「2023 パーソルクライマックスシリーズ パ」の舞台である京セラD大阪に乗り込み、初回にエース・山本由伸から3点を奪うも、5-8で敗れた。これでオリックスのアドバンテージの1勝を含めると、ロッテ側から見て0勝2敗となった。
9月9日の試合でノーヒットノーランをくらうなど、今季山本に対し28イニングでわずか2点しか奪えなかった打線だが、初回先頭の荻野貴司が内野安打で出塁すると、続く藤岡裕大がセンター前に運び一、二塁。3番・角中勝也がきっちりと送って、4番・ポランコが右中間を破る2点適時二塁打。さらに安田尚憲、岡大海の連打で一死満塁とし、山口航輝の内野ゴロの間に3点目を挙げた。初回から3点を奪い、3-3の6回にも荻野が一時勝ち越しとなる適時打、4-7の7回には藤岡、角中の連打で無死一、三塁としポランコの犠飛と、苦手・山本から5点を奪った。
やはり1番・荻野が出塁すると、打線に活気が出る。CSを含めると荻野が今季1番打者で出場した初回の第1打席、16度出塁したが、そのうち10度得点に繋がった。荻野は常々“1番打者”としてチームを盛り上げるのは、「1番バッターの仕事だと思うので、しっかり出塁できるようにやっていきたい」と話す。その言葉通りの働きだった。
また、6番で出場した岡は打っては2安打、守っても3-0の3回先頭の宗佑磨が放った打球をスライディングキャッチするなど攻守に躍動。与えられた役割の中で結果を残せている要因についてシーズン中、岡は「一番は準備じゃないですかね。打席だったり塁に立つ時には、思い切っていけるようにしっかり心も体も準備して、整理した状態でいけるようにはしていますね」と自己分析している。
野手陣が11安打5点を奪った中で、投手陣がリードを守りきれなかった。3点リードの4回に先発・美馬学が3点を失い、4回3失点で降板し、4-3の6回に登板した中村稔弥、イニング途中からマウンドに上がった東妻勇輔の2人で4点を失い逆転を許した。5-7の8回に登板した鈴木昭汰が簡単に2アウトを奪ったが、若月健矢に適時二塁打と、投手陣は9被安打、4四死球、8失点だった。
先発陣の頭数が足りない現状、リリーフ陣にしわよせがきているのは間違いない。2戦目の予告先発となっているメルセデスもシーズン中、突如乱れるケースが多々あり、勝利のみが求められる短期決戦で、今夜も早いイニングからリリーフ投入ということも十分に考えられる。ファーストステージからリリーフ陣はフル回転という状況だが、チームの勝利のためなんとか腕を振り、そしてゼロでバトンを繋いで欲しいというのが本音。
打線が初回からシーズン中、抑え込まれた山本由伸に対し3点を挙げ、このリードを守り切りたかったが、守り勝てなかったのは痛い。オリックス戦、特に京セラD大阪での試合はリーグ優勝を決められた9月20日の試合、18日のファイナルステージ第1戦など、先制点を取っても逃げきれなかったことが多い。他にもロッテがリーグ優勝を逃した原因は多くあるが、先取点をとっても逃げきれなかった部分もリーグ優勝したオリックスとの“差”のひとつなのだろう。第2戦も厳しい戦いが予想される中で、なんとかまずは1つ勝利したい。
文=岩下雄太