【楽天】今江敏晃新監督、ボビー・バレンタイン氏流“ファミリー”で日本一狙う「支え合って信頼し合えるチームに」
スポーツ報知
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2023.10.18(水) 05:00
楽天は17日、来季の新監督に今江敏晃1軍打撃コーチ(40)が就任すると発表し、新体制で本拠・楽天モバイルでの秋季練習をスタートさせた。41歳シーズンでの就任で、19年の平石洋介監督(現西武ヘッドコーチ)の39歳に次ぐ、球団2番目の年少監督となる。新体制では渡辺直人1軍内野守備走塁兼打撃コーチ補佐(43)が1軍ヘッドに就任。また、三木肇2軍監督(46)が続投することも発表された。
12球団最年少監督が誕生した。わずか40歳という若さで就任が決まった今江新監督は「(オファーを受け)ビックリしたというのが一番初めにありました」と笑った。もちろん将来、監督をやりたいというイメージはあったがその時期は「相当ジャンプした」と正直な心境を明かした。
チームは世代交代の真っただ中になる。今季は村林や小郷など26~27歳の選手の台頭もあった一方、主軸には32歳の浅村、33歳の島内、34歳の岡島らベテラン陣が名を連ねていた。今オフは35歳の銀次らベテランにも戦力外を通告するなど、若返りを目指しているのは明らかだ。育成コーチから始まり、2軍、1軍の打撃コーチなど4年間コーチ業を務めた青年指揮官にチームを託した森井球団社長は「全支配下、育成を含めた全選手で戦っていかないといけない。その中でそれを取りまとめていただける最適な人物」と抜てきの理由を明かした。
5月に2軍から1軍に配置転換され、良き兄貴分として打撃指導はもちろん、選手の精神的な支えにもなってきた。その礎を築いたのは、ロッテ時代の恩師で2005年にともに日本一に輝いたボビー・バレンタイン氏(73)だ。「チームはファミリー」と公言し、今江新監督自身も夫人の出産時には立ち会いのために緊急帰京を許可された。「本当に家族のように接してくれた。時に厳しく、時には優しく接してくれて、本当に僕らを信じて信頼してくれていた」。“ボビー魂”を継承する。
練習初日には選手から「監督~!」と冷やかされる場面もあり、和やかな空気が流れた。「やるからには頂点を狙う。苦しい時に、しっかりと支え合って信頼し合えるチームにしたい」。新指揮官は頼もしいチームの長兄として、13年以来の日本一を目指し東北に歓喜を呼び込む。(内藤 菜月)
〇…今江監督は年俸4000万円の2年契約。前監督の石井SDは年俸1億円だっただけに、6000万円も少なく、1軍指揮官としては異例の金額。球団は年俸1億円の炭谷や7000万円の銀次を今オフ戦力外に。昨オフには田中将が出来高払いを含む9億円から4億2500万円ダウンの4億7500万円プラス出来高払いで契約更改し、今オフも大幅減俸が予想されている。球団全体として、コストカットが進められている模様だ。
◆今江 敏晃(いまえ・としあき)1983年8月26日、京都府生まれ。40歳。PL学園では2年夏に甲子園出場。2001年ドラフト3巡目でロッテに入団。05、10年の日本シリーズMVPを獲得。05年から4年連続でゴールデン・グラブ賞を獲得。15年オフに海外FA権を行使して楽天に移籍。19年に引退し、20年からコーチを務める。通算1704試合で打率2割8分3厘、108本塁打、726打点。右投右打。
■「宿命」「ご縁」今江新監督に聞く
―要請時の気持ち。
「すぐに気持ち的には整理できなかった。でも、東日本大震災以降、毎年東北を訪問させてもらったり、選手としても楽天イーグルスに移籍してきたり、また監督のお話をいただいたり、僕にとって宿命というか、時間がたつにつれてご縁を感じてきたので、すごくチャレンジしたいなという気持ちになりました」
―理想の監督はバレンタイン氏。
「ボビーはファンサービスがすごかった。ファンの人の力というのはすごいなと思うので、選手には負担かかるかもしれないけど、それでも応援してくれる人がまた増えることによって選手も自覚っていうのが絶対出てくる」
―就任1年目の目標は。
「東日本大震災を乗り越えた2013年の日本一の時は、イーグルスの強さや東北の勢いをすごく感じました。あの興奮と感動をもう一度皆さんに味わってもらいたい気持ちはものすごくあります」
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