パ・リーグは９日、残り１枠のクライマックスシリーズ（ＣＳ）進出が懸かる楽天モバイルでの楽天―ロッテ最終戦が雨天中止となり、１０日の１８時開始に順延された。ソフトバンクがこの日敗れたことで勝てば２位、引き分けでも３位でＣＳに進むロッテは小島和哉投手（２７）が、勝てば３位に入る楽天は則本昂大投手（３２）がスライドで先発する。命運を握るのは投手起用。楽天担当の内藤菜月記者が１０・１０決戦の行方を占った。

　恵みの雨になるのだろうか。雨天中止で最終決戦が１０日にずれたことにより、１４日に行われるＣＳファーストステージ初日へは中３日。９月には１０連戦をこなしたが、またも過密日程をこなすことになりそうだ。

　荘司、田中将らの先発陣もブルペン待機させ総動員の可能性もあったが、１０日は２人をベンチから外す方向だ。石井監督は「ノリ（則本）がある程度しっかりまとめてくれると思う。リリーフは１イニングを抑えるプロとしてやってきているので、彼らのことを信じている」と説明した。

　前半戦は勝ちパターンに期待されていた宮森、西口らが不調で２軍落ちするなど計算が狂い、役割がはっきりしていたのは守護神・松井裕だけだった。後半戦の快進撃の要因の一つにはリリーフ陣が安定したことが考えられる。６月３日に１軍登録された渡辺翔がここまで８勝を挙げ、被打率は１割６分４厘。ルーキーながら８回の男に定着すると、場面を問わず登板していた救援左腕・鈴木翔らも、役割が明確になった。

　則本が「おととい延長で遅くまで試合をしていたので、結果的にいいリフレッシュになったんじゃないかな」と話したように、本拠地で行われた７日のソフトバンク戦では酒居以外の全投手がマウンドに上がり、４時間５０分に及ぶ死闘を繰り広げた。２日間の休養日を経て集中力は高まった。スクランブル態勢ではなく、平常運転で、ＣＳへとたどり着く。（内藤　菜月）

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