パ・リーグは９日、残り１枠のクライマックスシリーズ（ＣＳ）進出が懸かる楽天モバイルでの楽天―ロッテ最終戦が雨天中止となり、１０日の１８時開始に順延された。ソフトバンクがこの日敗れたことで勝てば２位、引き分けでも３位でＣＳに進むロッテは小島和哉投手（２７）が、勝てば３位に入る楽天は則本昂大投手（３２）がスライドで先発する。

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　今季の対戦成績は１２勝１２敗のがっぷり四つ。しかし、地の利やチームの勢いという点を加味すると、楽天がやや有利とみる。

　両先発はスライドになる。踏んできた場数なども踏まえると、精神的には則本の方が強いと感じる。吉井監督は小島の交代機について言及したそうだが、個人の勝ち星とＡクラスのどちらが大切かは言うまでもない。当然、チーム優先である。だから、この発言は、吉井監督の自分自身に対しての戒めと解釈できる。と同時に、小島へ「そこで迷わせないでくれよ、しっかり投げ切ってくれよ」と、メディアを使った叱咤（しった）激励でもあるのだろう。巧みな選手操縦術だ。

　ロッテのキーマンには石川慎吾を挙げたい。基本的にスタメンは相手先発がサウスポーの時に限られるが、ここのところいい働きをしているし、思い切ってスタートから使う手もある。

　ただ、楽天は本塁打王のタイトルがかかる浅村が充実し、７日のソフトバンク戦では３点差からドローに持ち込んだ。ロッテは逆に勝たなければいけなかった７日のオリックス戦を落とした。ホームの声援や気候も味方する楽天が、ＣＳに近い位置にいる。（スポーツ報知評論家・高木豊）

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