◆パ・リーグ　オリックス４―５楽天（３０日・京セラドーム）

　楽天が首位のオリックスを破って連勝し、最大「１３」まで膨らんだ借金を、４月７日以来となる「０」にして３位の座を守った。「調子は良くなかったが、ゼロに抑えて勝てたのは大きい」と振り返った岸孝之投手（３８）が、プロ１７年目のベテランらしい粘りで勝利を呼び込んだ。

　４点リードで迎えた６回、３安打を許すなど２死満塁のピンチを招いた。迎えるは代打のＴ―岡田。１ボール２ストライクからの４球目、「最後だと思って思い切り投げた」という１４３キロ直球で、外角に構えた炭谷のミットを射抜いた。１１１球目で狙い通りの見逃し三振を奪い、胸を張って三塁ベンチへと引き揚げた。

　６回８安打５奪三振無失点で９勝目。今季オリックス戦５試合目の登板で４勝１敗とキラーぶりを発揮して、１８年以来５年ぶり９度目の２ケタ勝利に王手をかけた。勝負どころの９月で４連勝を飾ったのは日頃の体の手入れのたまもの。柔軟性を保つため念入りにストレッチをし、トレーナーにも時間をかけて体をほぐしてもらい疲労を持ち越さない。

　ＣＳをにらんでも頼もしいオリックスキラーの右腕の活躍で、苦手にしていた田嶋に２０年１０月２２日以来、２２試合ぶりに勝利。ソフトバンク、ロッテはサヨナラ勝ちと１・５差に３チームがひしめく中での価値ある白星に石井監督は「一個一個勝つしかない。しっかり前を向いて進んでいく」と目を大きく見開いた。（阿見　俊輔）

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