◆パ・リーグ　ソフトバンク３ｘ―２日本ハム（３０日・福岡ペイペイドーム）

　ライナー性の打球が右翼スタンドに飛び込んだ瞬間、大歓声がわき起こった。ダイヤモンドを一周した中村晃は両手を突き上げて、ナインの待つ歓喜の輪に飛び込んだ。「もう、何とか勝ちたいという思いだけで打席に立ちました。本当に最高の結果になってよかった」。９回１死、田中正から放った５号ソロは１４年の日本シリーズ以来、レギュラーシーズンでは初の貴重なサヨナラ弾となった。

　劇的な２発で試合をひっくり返した、１点を追う９回、先頭の柳田が右翼テラス席に同点の２１号ソロをたたき込んだ。これに中村晃が続いた。９月１６日に、高熱やせきなどの症状で「特例２０２３」の対象選手として登録を抹消され、６試合の欠場。２３日のオリックス戦（ペイペイＤ）から復帰したが、離脱を挟んで連続無安打を２１打席で止めた。「やっと打ったな。そんな感じです」と安どの表情を浮かべた。

　今季９度目のサヨナラ勝ちで貯金「２」。６月以来、３か月ぶりの勝ち越しも決めた。「本当は優勝争いをしないといけないんですけど、まだ日本一になる可能性があります。福岡でＣＳができるよう頑張ります」と中村晃。激しいＣＳ争いの中、がっちりと２位をキープした。（加藤　博之）

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