ロッテ・藤原恭大「自分の役割を果たせるように頑張りたい」バットでもっともっとアピールを!
ベースボールキング
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2023.9.29(金) 11:07
ロッテ・藤原恭大(撮影=岩下雄太)
ロッテの藤原恭大は、試行錯誤しながら結果を残そうと必死に汗を流している。9月13日の楽天戦の試合前練習では最終組で打撃練習を行い、約30分近く村田修一打撃コーチが投げる緩い球を打ち込み、時折アドバイスをもらっていた。9月15日の西武二軍戦ではバントした第4打席以外はヒッチ気味のフォームで打って2安打し、16日の西武戦ではヒッチしていないフォームで、18日の西武戦では肘の位置を下げたフォーム、20日のオリックス戦は普段の打撃フォームに近い形で打った。
ヒッチしたフォームなど色々と試していた意図について藤原は「前に突っ込まないように、ヒッチなどをやったりしていました。それ(ヒッチ)はやめて、また変えてやっています」と9月25日の試合前練習後の取材で明かした。
その日にあった形で打っているのだろうかーー。「その日にあったものではなくて、今はしっくりきているのでそこを継続してやっています」。色々なフォームで打っている中で、“体の内側からバットを出すこと”、“コンパクトなフォーム”と今季春先から口にしていた打撃の基本的な“考え方”については変わっていないとのことだ。現在、打撃練習では「歩幅が大きくならないように」ということを考えて打っている。
取材した25日のソフトバンク戦では、守備から途中出場し、1-10の9回一死一塁の第1打席、椎野に対して粘りに粘って3ボール2ストライクから10球目のインコース高めの147キロのストレートを見送り四球を選んだ。走塁でも1-10の9回一死一、二塁で佐藤都志也が放ったライトフェンス際のファウルフライで一塁走者の藤原は、二塁へタッチアップする好走塁。得点差が離れていても、自分のやるべきこと、アピールをしっかりとした。
『1番・センター』で先発出場した26日の日本ハム戦は4打数0安打、途中出場した翌27日の日本ハム戦は空振り三振に倒れたが、センターの守備から途中出場した28日の日本ハム戦では、2-9の9回二死一塁の第1打席、守護神・田中正義が1ボール1ストライクから投じた3球目のインコース低めの149キロのストレートをライト前に弾き返した。
同じ外野のポジションを争う和田康士朗が24日のソフトバンク戦で本塁打を含む1試合4安打に25日のソフトバンク戦でも1安打、27日の日本ハム戦でも2安打2打点と、ここへ来てバットで抜群の存在感を発揮すれば、左投手キラーの石川慎吾、8・9月の打率.342の角中勝也、さらに荻野貴司、岡大海が特例2023から28日に一軍復帰し荻野が1安打、岡が2安打とライバルが多い。「自分の役割を果たせるように頑張りたいと思います」と藤原。
ドラフト1位で入団し、期待値が大きいだけに、レギュラーを掴みきれていない現状にもどかしさを感じているファンも多い。今季も開幕直後に一時期リーグトップの打率、安打数をマークし、2年前には月間MVPに輝くなど、短期的な活躍は何度も見せてきた。藤原をはじめ、他の若手に言えるのは好不調の波を小さくし、安定感を出せるかどうか。残り8試合、チームはCS進出に向けて激しい2位、3位の争いをしているが、藤原自身は来季に向けて“良い形で終えるためにも、とにかく結果を残し続けたいところだ。
取材・文=岩下雄太