ロッテ・田中晴也「体づくりの1年」課題を持って土台作りに励む

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2023.9.10(日) 09:37

◆ ファームで実戦デビュー

 「実戦的な部分で高校生の時から約1年ぶりの登板だったので、久しぶりな感じはしましたし、やっと試合で投げられました。もっともっと良くなると思うので、今は怪我なくできているのが一番いいかなという感じで投げられています」。

 ロッテのドラフト3位・田中晴也は、1カ月前の8月10日の日本ハム二軍戦で実戦デビューを飾った。

 4-1の6回にマウンドに上がると、阪口樂を2ボール1ストライクから144キロのストレートで遊直、続く中島卓也を2ボール1ストライクから144キロのストレートで二ゴロ、最後は細川凌平を1ボール2ストライクから4球目の135キロのスプリットで空振り三振。1回・12球、三者凡退に抑える最高のプロ初登板となった。

 細川を空振り三振に仕留めたスプリットはストライクゾーンからボールゾーンに落ちていく良い球だった。田中は「フォーク、スプリットの間というか、自分はスプリットと言っているんですけど、今年1年課題にしている決め球、空振りを作る球を一つ目標だったので、まだ練習中ではありますけど、少しずつ感覚は良くなっているのかなと思います」と説明した。

 確かに田中は「決め球としてフォークをしっかり覚えていければいいかなと思っています。そこは今後活躍していく上で大事な変化球かなと思います」と春季キャンプで取材を行った時点で決め球の重要性を口にしていた。その決め球の精度が徐々に高まっているようだ。

 投球における生命線となるストレートについても春季キャンプで、「(質を高めるために)細かい作業になってくると思います。球速を上げることも大事なんですけど質の部分は、回転数、ホップの成分だとか、数値を高めながら、キャッチャーと対話しながら良いボールを増やしていければと思います」と話していたが、現在も「ストレートはこだわっている部分ですし、一番の武器にしないといけないと思っています」と、その姿勢は変わらない。

 「強さだったり、ファウルを取れたりとかそういった部分は試合を通して実感していますが、自分の中ではしっくりきていない部分が多々あるので、これからもっともっと良くなるストレートかなと思います」。

◆ 「体づくりの1年だと思っています」

 ロッテの高卒新人投手は、プロで投げ抜く体力をつけるために、体づくりに力をいれる。

 田中は「今年1年間は土台、フィジカル面、体力強化の部分で体づくりの1年だと思っています。そういった部分で数値もそうですし、動いていても実感を得られているので、順調かなと思います」と手応えを掴む。

 体づくりで意識していることについて「出力を出しても耐えられるというか、ウエイトにしても色々そうですけど、どんどん重量を上げていけばその分、自分の力が発揮できるパワーの大きさが大きくなりますし、出力も大きくなるので、まずはウエイトとかの部分でしっかり自分を支えられる重さを上げていければいいなと思います」と話した。

 「まずはしっかり今年1年怪我なく毎日練習することが目標なので、自分の体と向き合ってしっかり体づくりのできる1年にしたい。一番は怪我せずに野球ができればいいなと思っています」。数年後、一軍のマウンドに上がるため、今はプロ仕様の体に仕上げていく。

取材・文=岩下雄太

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