試合後にも一体感が生まれる「吉井ロッテ」の結束力 あえて失点した選手を前に、指揮官の目指すチーム作りとは…担当記者コラム

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2023.8.25(金) 06:00

吉井理人監督

 頂点を極めるには、全員が同じ方向を向いている必要がある。試合が終わった瞬間も、グラウンドの外でも目指すものは同じだ。

 8月12日の西武戦(ZOZO)。1点を追う9回1死二、三塁。荻野の中犠飛でサヨナラ勝ちを収めたロッテ。通常はその試合で活躍した選手が先頭に立ち、ファンのいるライトスタンドへ一礼するが、吉井理人監督(58)は1点リードの7回に登板し、2失点と逆転を許した東條を、満面の笑みでその先頭に抜てきした。

 帽子を取り、笑顔でファンへお辞儀するナインに対し、前に立つ東條はライト方向と一塁側内野席へ深々と2度お辞儀する“謝罪会見風”になった。これにナインは大爆笑。あえて失点した選手を監督が直接“フォロー”することで、チームに悪いムードは流れない。試合後にも一体感が生まれた瞬間だった。

 監督室には「Players win Games Teams win Championship」の文字がある。指揮官は「選手の力でゲームには勝てるけど、優勝するにはみんなの力がいりますよ、っていう意味です」と説明する。

 首脳陣、スタッフ、裏方。チームに関わる全ての人が本気で貢献したいと思える雰囲気、環境をつくるのも指揮官の務めだと話す吉井監督の方針を象徴していた瞬間だったと思う。首位・オリックスとは8・5ゲーム差と踏ん張りどころだ。吉井ロッテの結束力を、今こそ発揮する時だ。(ロッテ担当・小田原 実穂)

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