【楽天】則本昂大が抱く“お兄ちゃん”ロッテ美馬への憧れ…担当記者コラム

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2023.8.23(水) 06:00

8月6日のロッテ戦で気合を入れる則本昂大

 「エース」。楽天・則本昂大投手(32)には、その言葉がふさわしいと思った。

 本拠地で行われた6日のロッテ戦では今季最長タイの8回を投げ4安打1失点と好投。1点リードの6回2死三塁のピンチでは9球粘られた末、ポランコを内角のスライダーで空振り三振に抑えた。グラブをたたき3度ほえる気迫あふれる姿に圧倒された。

 則本はチームの投手陣の中では辛島と並び4番目の年長者だ。それでも後輩としての一面が垣間見える瞬間があった。6月30日のロッテ戦(ZOZO)でロッテに移籍した元同僚の美馬と初めて投げ合った。

 4学年先輩の右腕はプロ入り前から憧れの存在だった。三重中京大時代、三重県内で行われた社会人野球の大会を訪れた時、初めて美馬のことを知った。「こんな人がプロに行くんだろうな」。当時、東京ガスに所属していた美馬の投球をひと目見た瞬間にくぎ付けとなった。

 美馬が楽天に入団した3年後、導かれるように則本も仙台へ。春季キャンプ途中に1軍へ合流するとすぐに声をかけられ「僕にとってはお兄ちゃんのような存在。初めて会ったときから本当に優しかった」と当時を思い返す。

 初めての投げ合いは最大14メートルの強風が吹く悪天候の中、6回途中4失点。美馬は6回4失点で、お互い本来の力を発揮できなかったが「ようやく初めて投げ合えて、楽しみで、勝ちたい思いはあった。いい刺激はもらえたかな」。美馬が移籍した20年から4年目。待ちに待った対戦が右腕の心に火を付けた。

 シーズンの序盤こそ白星がつかなかったが、2勝目を挙げた6月6日の阪神戦(楽天モバイル)からここまで11戦で5勝1敗。チームを引っ張り、練習では後輩に自身の技術を惜しみなく伝えながらも、笑顔でいじり合う姿も垣間見える。エースとして、人として、頼りになる則本が楽天にはいる。(楽天担当・内藤 菜月)

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