【ソフトバンク】石川柊太が育成出身2人目のノーヒットノーラン達成「1回はやりたいと思ってた」

スポーツ報知

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2023.8.19(土) 05:30

お立ち台で笑顔を見せる石川

◆パ・リーグ ソフトバンク8―0西武(18日・PayPayドーム)

 ソフトバンク・石川柊太投手(31)が18日の西武戦(ペイペイD)でノーヒットノーランを達成した。昨年8月のポンセ(日本ハム)に続く史上88人目(通算99度目)の達成で、パ・リーグ33人目(34度目)。球団では昨年5月の東浜以来4人目。育成出身では19年の千賀(ソフトバンク、現メッツ)以来プロ野球2人目。石川は打者31人に対し3四球1死球を与えたが、127球で抑えた。不調による2軍落ちも経た10試合ぶりの4勝目が大記録となった。

 ようやく心の底から笑えた。9回2死二塁。石川は127球目のカットボールで中村を一ゴロに仕留めた。3か月ぶりの4勝目を、無安打無得点で飾った。「毎試合ノーヒットノーランを目指して、初回に打たれて、何だよ、みたいな投球してるんですけど(笑い)。この打者を抑えるんだという気持ちで投げていたので、最後までそんなに意識はしなかったかもしれないです」

 出した走者は3四球、1死球による4人。140キロ台後半の直球とパワーカーブなどの変化球を石川らしい高速テンポで投げ込み、2時間36分で西武打線を料理した。

6月2軍降格「心の肉離れ」 千賀がメジャーに移籍した今季。新エースの筆頭候補として迎えたが、不調に陥り、交流戦終了後の6月には2軍降格。「僕がもっとやらないといけない。でも、やれない。もっと強く思わないといけないんじゃないかと思えば思うほど、腕が振れなくなる」。苦悩の状態を「心の肉離れ」と表現した。フォームを一から見直し、昨季までのオリックス・山本を参考に、シンプルさを突き詰めた。

 「1回はやりたいと思ってた。ウィキペディアにノーヒットノーランの欄が書かれるじゃないですか。あれ、増やしたいじゃないですか。厚みが出た方が『うわ、なげー』みたいな」。会見の最後は“石川節”で締めた。普段から「ネガティブをポジティブに受け入れる」という前向きな男。今季は落ち込みそうにもなったが、背番号29にはやっぱり笑顔が似合う。(中村 晃大)

 ◆柊太に聞く

 ―何回ぐらいから意識?

 「毎試合ノーヒットノーランをしようと思って投げている。今日は巡り巡って、最後までいけた運があった。びっくりと、うれしさと両方の感情」

 ―序盤から味方が得点。

 「回の合間は休ませてもらって、整理してマウンドに上がれた。そのおかげであれだけ長く投げられた。本当に守備にも助けられた」

 ―無安打無得点は野球人生で何回目。

 「ゼロですね」

 ―育成では2人目。

 「実感は湧いていない。育成2人目というのを聞いて、何でも千賀が先に行っている。一歩でも近づけるように。『育成初のなんちゃら』というのをどんどん増やせるように」

 ―千賀からメッセージは来そう?

 「連絡は取っているので、来るかもしれない。『千賀に次いで2人目だよ』みたいな話はしようかな」

 (会見後、19日のイベントに出演予定のOBサファテ氏が乱入)

 「デニス(サファテ)さんが来るから『頑張らないと』と思いました。変な投球をしたら『何してんだ』って絶対に言われる」

 石川の妻で元SKE48の大場美奈さん(自身のSNSより)「ノーヒットノーラン! 本当におめでとう」

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 ◆石川 柊太(いしかわ・しゅうた)1991年12月27日生まれ、東京都出身。31歳。総合工科から創価大を経て13年育成ドラフト1位でソフトバンク入団。3年目の16年に支配下登録。プロ初勝利を挙げた17年に8勝。18年は13勝。20年は11勝3敗で最多勝と最高勝率(7割8分6厘)。今年1月、元SKE48、AKB48の大場美奈さん(31)と結婚。年俸1億5000万円。185センチ、90キロ。右投右打。

球団4人目 ▼…ソフトバンクの石川柊太投手(31)は18日、対西武16回戦(ペイペイD)でノーヒットノーランを達成した。プロ野球88人目、99度目(パ33人目、34度目)。前身球団を含めチームでは、1リーグ時代の43年別所昭、19年千賀、昨年の東浜に次いで4人目。

 ▼…2年連続で記録したチームは71、72年の広島(藤本和宏、外木場義郎)以来、51年ぶり。パでは70、71年の近鉄(佐々木宏一郎、鈴木啓示)以来だ。相手は昨年と同じく西武戦。2年続けて同一カードで達成は、1リーグ時代の巨人(36年秋と37年春のタイガース戦、40年と41年の名古屋戦)、セでは国鉄が56、57年の中日戦で記録。パでは初。

 ▼…石川は13年の育成ドラフト1位。育成ドラフト出身でノーヒットノーランを達成した投手は、10年の4位で入団し19年に達成した千賀(ソ)以来、2人目。

 ▼…捕手は甲斐がフル出場。19年千賀、昨年の東浜が達成した試合に続き、これが3度目。捕手として3度以上ノーヒットノーランを経験したのは、4度の和田博実(西鉄)と佐竹一雄(大陽1度、国鉄3度)、3度の吉原正喜(巨)、谷繁元信(中)に次ぎ5人目。

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