隅田知一郎 [写真＝北野正樹]

◆ 「完全に自分のペースになってきた」

　西武は9日、敵地での日本ハム戦に6－0で勝利。先発した隅田知一郎は味方の大量援護を背に日本ハム打線から11三振を奪う力投を披露し、プロ2年目で待望の初完投・完封勝利を挙げた。

　前回登板は4回途中3失点（勝敗つかず）で降板した隅田だったが、この日は初回から三者連続三振を奪う上々の立ち上がりを見せると、その後もテンポの良い投球で8回までスコアボードに「0」を並べていく。

　アウェーに駆け付けた西武ファンの声援を背に自身初の9回もマウンドに上がると、この日初めて満塁のピンチを背負ったものの、最後は松本剛を三ゴロに打ち取りゲームセット。9回132球、5安打11三振に2四球の力投で今季6勝目を飾った。

　圧巻の投球でチームをカード3連勝に導いた隅田について、同日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』にて番組MCを務めた真中満氏は「ルーキーイヤーの昨季はもう二桁間違いないと多くの解説者が期待していたんですけど、結局1勝どまり。それで今季も出だしそこまでではなかったんですけど、非常に隅田らしいというか完全に自分のペースになってきた」と開口一番称賛。

　同じく出演した五十嵐亮太氏も「緩急を使えていたって所とインコースの早いボールをしっかり見せる事が出来た。両コーナープラス緩急ですよね。フォークボールの落ち幅っていうのも大きいんですけど、しっかりタイミングもずらせている。落ちるのがあって早い球もあるとなかなかバッターも捉えるのが難しいでしょうね」と直球、変化球共に抜群だったと好評価した。

　また笘篠賢治氏は「隅田選手は色んな球種を持っていますよね。それで色んな球種を使いすぎて、そしてコントロールや球数が多くなっていた」と昨季から陥っていた悪循環について解説すると、しかし続けて「たくさんの球種を持っていながら、でも一つ何か核になるボールを軸にどんどん攻めていきながら意識させてっていうピッチングができるならこんな勝ち方はどんどん出来てくるようになる」とコメントし、今後のさらなる飛躍に期待を寄せた。

　長かったトンネルを抜けつつある隅田が、今後どこまで勝ち星を積み重ねていくことができるか。今後も若き左腕エースの投球に注目したい。


☆協力：フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』

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