ロッテ・西野勇士「今まで通りゲームを作ることだけ」勝負の夏場も変わらぬ投球を!
ベースボールキング
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2023.8.3(木) 10:27
ロッテ・西野勇士 (C)Kyodo News
「名前負けせずゾーンで勝負できているし、それもある程度自分の中で強い真っ直ぐを投げられている。しっかりやりたいことはやれているのかなと思いますね」。ロッテの西野勇士は先発再転向となった今季、自身が理想とする“ストライク先行”、“テンポよく投げる”、“試合を作る”という部分が開幕から継続してできている。
連打をされても四球が少ないため、最少失点に抑えられているのも大きい。「四球出さないことは本当に意識していて、四球は流れとか雰囲気とか悪くなるって僕は感じる。特に失点が重なるときは四球が絡んだりとか、そういうのって野球見ていて思うじゃないですか。四球はとにかく出さないという意識でやっているつもりです」。今季70イニングを投げて、与四球はわずかに11。前回7勝目を手にした7月22日のソフトバンク戦でも6回・86球を投げ、与四球は0だった。
◆ 西野の投球を支えるシュート
今季から投げているシュートで内野ゴロに打ち取れているのも最少失点、少ない球数に抑えられている要因だ。「実際この前もゲッツー取れましたけど、シュートがあることですごいバッターを悩ませられている。絞らせていない感じが僕の感じ方では感じていてて、バッターと勝負するにあたってやりやすい球種になっていると思います」。
打者がストレートかなと思ってシュートだったり、その逆であったり、駆け引きもあったりするのだろうかーー。
「シュート、ツーシーム回転、フォークもツーシーム回転でいくので、フォークとのギャップもあるし、真っ直ぐとのギャップもあるし、イメージはフォーク、真っ直ぐというところがあると思うので、そこをうまく間に入ってくれている感じがします」。
ただ、開幕から早いカウントで投げることの多かった90キロ台のカーブが、6月25日の日本ハム戦以降、少なくなっているようにも見える。
「投げられる時には投げようかなという感じですね。もともとこれで抑えようと思っている球種ではないので、投げられるタイミングを見つけたら投げようかなくらいに思っているだけですね」。
◆ シーズン最後まで安定した投球を!
トミー・ジョン手術からした昨季はリリーフで37試合に登板して、防御率1.73という成績を残せば、先発に転向した今季もここまで11試合・70回を投げ、7勝2敗、防御率2.44、先発投手の指標のひとつにあたるクオリティスタート(6回以上3自責点)も8試合で達成。佐々木朗希が故障で離脱し、先発陣の台所事情が苦しい中で、西野はシーズン最後まで安定した投球を披露して欲しいところ。
西野本人は「とにかく継続だと思います」と一言。「自分がこのチームを引っ張っていっている感覚はないですし、しっかり連敗がないとか、勝っている試合をいい状態で次の試合で持っていくだとか、間を取り持つような。とにかくそれをするためには試合を壊さないことが一番だと思う。パカーンとやられると、チームとしての雰囲気、リズムとか変わると思うので、とにかくいつも通り、今まで通りゲームを作ることだけを本当に集中してやっていけたらいいなと思います」。
チームは3連敗で首位・オリックスと今季最大の5ゲーム差に広げられてしまい、苦しい状況。18時から行われる日本ハム戦で、持ち前の投球でチームに勝利をもたらしたい。
取材・文=岩下雄太