通算100盗塁を達成したロッテ・岡大海の準備力

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2023.7.25(火) 09:07

通算100盗塁のボードを掲げるロッテ・岡大海(C)Kyodo News

◆ 通算100盗塁達成

 ロッテの岡大海が24日のソフトバンク戦で、プロ通算100盗塁を達成した。

 0-1の4回二死走者なしから石川柊太のカットボールをセンター前に弾き返し出塁。続く茶谷健太の4球目を投げる前に一塁走者・岡がスタートを切り、それに気づいた石川が二塁へ送球。1度はタッチアウトとなったが、リプレー検証で判定が覆りセーフに。記録は盗塁となり、これが岡にとって今季11個目の盗塁、プロ通算100個目の盗塁となった。

◆ 準備力

 岡が盗塁の際、心掛けているのは準備だ。

 代走で出場することの多かった2019年の取材では「相手のピッチャーの映像を見てしっかり準備してやっています。準備だけはしっかりやっています」と話し、22年9月に取材したときも、盗塁の際に“準備”を大切にしているのか聞くと、「そうですね、準備もそうですし、イメージとかもしっかりして塁に立っているというのもあります。あとは塁に出てからのピッチャーとの雰囲気、駆け引きは大事にしながらやっています」と教えてくれた。

 昨季は「成功すればいいイメージで塁に立っていけると思いますし、そういう部分ではいい方向にいっているのかなと思います」と、12度の盗塁機会で全て盗塁を成功させている。プロ通算で見ても盗塁成功率.847。非常に高い成功率を誇る。

 今季はさらに進化した姿を見せ、とにかく相手投手の投球モーションを完全に盗んで悠々セーフになることが多い。5月27日のソフトバンク戦では、1-0の4回二死一塁で池田来翔の1ボールからの2球目のストレートの時に、石川のモーションを完全に盗み二塁盗塁を決めれば、6月5日の阪神戦でも7-6の8回二死一塁で中村奨吾の打席、西純矢が1ボールから投じた2球目・133キロのスライダーの時に完全にモーションを盗み二塁盗塁を成功させた。

 さらに、6月10日の広島戦でも1-1の3回一死一塁で藤岡裕大の1ストライクからの2球目の135キロカットボールでスタート切り、完璧に森下暢仁の投球モーションを盗み二塁盗塁成功。捕手の會澤翼が二塁へ送球できないほどの抜群のスタートだった。

 今季、投球モーションを盗んで盗塁が多い理由について岡は「タイミングだったりですかね。ちょっとでもチャンスがあればいこうという気持ちではいます」とのこと。準備、ピッチャーとの駆け引きなどを大事にしていたが、そこにプラス何か取り入れた要素などあるのだろうかーー。

 「盗塁に関しては、以前と考え方は変わっていないですね」。

 代打、代走、守備固め、スタメン出場と一人で何役もこなす岡は盗塁だけでなく、どの役割でも“準備”を大切にしている。「一番は準備じゃないですかね。打席だったり塁に立つ時には、思い切っていけるようにしっかり心も体も準備して、整理した状態でいけるようにはしていますね」。日頃の準備力の高さで到達した通算100盗塁。今日もチームの勝利に貢献するため、いい準備をしていく。

▼ 岡大海の年度別盗塁数
14年:1盗塁 / 1盗塁死 (15試合)
15年:18盗塁 / 3盗塁死 (101試合)
16年:9盗塁 / 1盗塁死 (41試合)
17年:6盗塁 / 2盗塁死 (60試合)
18年:12盗塁 / 2盗塁死 (79試合)
19年:13盗塁 / 1盗塁死 (95試合)
20年:7盗塁 / 3盗塁死 (62試合)
21年:11盗塁 / 1盗塁死 (110試合)
22年:12盗塁 / 0盗塁死 (98試合)
23年:11盗塁 / 4盗塁死 (63試合)
※18年は日本ハムとロッテの合計
※2023年7月24日現在

取材・文=岩下雄太

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