【球宴】日本ハム・万波中正、史上初の初出場から2戦連発でMVP 選出時の宣言通り「ホントに最高」

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2023.7.21(金) 05:20

4回無死、万波中正がバウアー(手前)から左中間へソロ本塁打を放つ(カメラ・渡辺 了文)

◆マイナビオールスターゲーム2023 全セ1―6全パ(20日・マツダスタジアム)

 史上初めて球宴デビューから2試合連続本塁打を放った日本ハム・万波中正外野手(23)がMVPに選出された。

 日本ハムの有望株から、リーグを代表する長距離砲への脱皮を示す一撃だった。4回無死。全パの4番・万波がバウアーの予告した131キロのスライダーを捉えた。打球速度175キロで左中間へ飛び込んだ一発は、球宴史上初の初出場から2戦連発。選出時の宣言通りMVPに輝き「ホントに最高」と喜びをかみしめた。

 球種を予告したバウアーに対し「最初はりきんだ」というが、7球目を完璧に運んだ。「球自体がすごいので、分かっていても簡単ではない。本塁打競争でも全部打てるわけではないので」と異例の対決を振り返った。日本ハムの新庄監督からは「予告ホームラン」を指示されていたが、打席中は指令を忘れて「予告返し」はならず。「もったいないことしましたね」と笑った。

 192センチ、96キロの体はメジャー級の可能性を秘める。中学時代には陸上の砲丸投げで全国大会に出場したほどの身体能力を持つ。ダルビッシュ、大谷らを見てきた日本ハム・福島チーフトレーナーは「サイズ的には翔平の方が大きい(193センチ)けど、お尻は万波の方が大きい気がする。ボリューム感や盛り上がり方、筋肉のつき方はすごい」と証言。「野球選手はやっぱりお尻が大きい方がいい。下半身の力を伝えるには重要な部位」と前半戦15発の長打力を支える「ケツ」を絶賛した。

 年俸2000万円の男が、第1戦の敢闘選手賞などと合わせ、2日で賞金500万円を獲得。日本ハムは10連敗中だが、「これを弾みに、いい戦いができるように頑張ります」。本格化した若き大砲が、後半戦を盛り上げる。

(内田 拓希)

 【記録メモ】

 ▼初出場から2戦連発は初 球宴デビューとなった第1戦の初打席で本塁打した万波(日)が、第2戦でも一発。球宴の1シリーズで2試合以上連続の本塁打は、01年第1~3戦に松井秀喜(巨)、中村紀洋(近鉄)がそろって記録した3試合連続を最長に、19年第1、第2戦の原口(神)以来23人目(28度目)。初出場から2戦連発は万波が初めて。

 ▼4番初試合でMVP 第1戦は途中出場だったが、この日は4番打者で先発し本塁打。MVPを受賞した。球宴の4番初試合で本塁打は9人目。4番初試合でMVPは、65年第3戦の江藤慎一(中)、14年第1戦エルドレッド(広)、17年第2戦デスパイネ(ソ)に次いで4人目だ。

 ▼初登板第1打者に被弾 一方で打たれたバウアー(D)は、この日が初登板。球宴の初登板で最初に対戦した打者に本塁打を許したのは、今年の第1戦で宮崎(D)に打たれた田中正(日)に次いで、17人目。外国人投手では、01年第3戦の許銘傑(西)、17年第1戦のバルデス(中)に次ぎ3人目。

(阿部 大和)

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