【球宴】ロッテ・佐々木朗希 昨年の雪辱1回0封2K 最速161キロも“ダルスライダー”で魅了 

スポーツ報知

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2023.7.20(木) 05:00

セ・リーグに勝利し、ナインを迎える(左から)近藤健介、佐々木朗希、山本由伸(カメラ・相川 和寛)

◆マイナビオールスターゲーム2023 全セ1―8全パ(19日・バンテリンドーム)

 「マイナビオールスターゲーム2023」の第1戦(バンテリンD)が行われ、全パが15安打8得点で快勝した。先発のロッテ・佐々木朗希投手(21)は変化球を多投し、1回1安打無失点、2奪三振。1失点を喫した昨季のリベンジに成功した。試合は全パが15安打8得点で快勝。ソフトバンク・柳田悠岐外野手(34)が2年連続でMVPに選出された。第2戦は20日にマツダで午後6時半から行われる。

 

 球場のスクリーンにこの日最速の161キロが計測されると、球場はどよめきに包まれた。佐々木朗が今年もファンを沸かせた。21年にビエイラ(巨人)が記録した球宴最速163キロの更新はならず「一生懸命投げてたんですけどあれが限界かな」と笑ったが、昨季とは違う計18球の“変化球ショー”で魅了した。

 「ストレート張ってると思ったので変化球多めで三振狙いにいきました」。初回、中野をフォークで、続く秋山はスライダーで2者連続の空振り三振に仕留めた。ノイジーには161キロ直球を中前へと運ばれ「全部三振狙ってたんで、打たれて悔しい」と苦笑い。それでも最後は阪神・大山を156キロ直球で三ゴロに打ち取り1イニングを1安打無失点、2奪三振。昨年は23球のうち21球が直球だったが、今年は一転、18球のうち10球が変化球。「球数少なく、しっかり抑えられて良かった」と汗を拭った。2番手は山本で、3月のWBC準決勝・メキシコ戦の投手リレーが再び実現した。

 昨季の球宴では1球も投げなかったスライダーが右腕を急成長させた。今年3月のWBCでチームメートとなったパドレス・ダルビッシュから握りを教わった。曲がりが大幅に変わり「別物になりました」と手応えをつかんだ“ダル流スライダー”。「日に日に良くなっていいボールになってきた」。新たな武器を習得した今季は前半戦だけで8度の2ケタ奪三振をマーク。この1年間で世界一を経験した右腕は一回りも二回りも成長を遂げた。

 試合前には山下(オリックス)やかつてチームメートだったオスナ(ソフトバンク)らと写真撮影。ここまで8勝の山下に対しては「カーブを学びたい。投げられたら投球の幅が広がると思う」。第2戦での交流も生かし、今季一度も投げていないカーブの進化にも意欲を見せた。

 新たなスタイルで魅了した右腕が後半戦で目指すものはタイトルだ。現在両リーグトップの121奪三振、防御率1・48、勝率7割7分8厘で投手3冠。登板後のテレビ中継では主要部門全てを争う山本の隣で、「どれかひとつでも(タイトル)取れるように」と宣言した。とどまるところを知らない21歳右腕がファンを沸かせるのはまだまだここからだ。

(小田原 実穂)

 ◆朗希の22年球宴 第2戦(松山)で全パ先発を任され、初球から16球連続で直球勝負するなど、23球のうち21球が直球。1回3安打1失点で、三振は奪えなかった。14年に日本ハムの大谷翔平(現エンゼルス)が記録した日本人球宴最速に並ぶ162キロをマークした。

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