◆パ・リーグ　楽天７―９オリックス（４日・東京ドーム）

　結果的にオリックス・頓宮裕真捕手（２６）の２発が効いた。最大７点リードから２点差まで追い上げられたが、何とか逃げ切り、首位に返り咲き。「想像を超えましたね…」。中嶋監督が胸をなで下ろした両チーム合わせて２４安打１６得点の大乱戦。パ首位打者が自身初のグランドスラムに自己最多の６打点と大暴れした。

　「みんながつないでくれたチャンスなので、１点でも多く取ろうと思った」。１点を先制した直後の初回無死満塁。２ボール１ストライクからスプリットを左越えへ運んだ。ヨーイドンの５得点では満足しない。４回２死一塁でも左中間へ１０号２ラン。「いい投手なのでうれしいです」と田中将を完全に沈め、７４試合目で早くも２年連続の２ケタ本塁打をクリアしてみせた。

　１、２日の日本ハム戦は２試合連続無安打。エスコンではなぜか打率６分７厘と奮わなかった。「一日一善やで」とある時、優しく肩の力を抜かせてくれた一人が福良ＧＭ。３日の休養日を挟み、東京Ｄできっちり切り替えと修正をした。

　昨季までの大看板だった吉田正（Ｒソックス）を慕う一人。今でも行き詰まれば助言を求め「自分のスイングをすること」と海の向こうからの教えはシンプルだ。「（狙い球以外を）打ってしもうた…ってなるのが一番、後悔するので」と好球必打を徹底。ぶれない姿勢で歩んでいる。

　本来は捕手登録。左太もも裏筋損傷で離脱した森からは「トン！」とかわいがられる存在だ。一塁手として、ファン投票で球宴初出場も決まっている注目株。成績も知名度も、グングンと伸ばしていく。（長田　亨）

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