◆パ・リーグ　楽天０―１西武（２４日・楽天モバイル）

　すべての力を使い果たした。８回２死一、二塁。西武・高橋光成はこの日１１０球目となる１３５キロのスライダーで浅村を中飛に打ち取ると、大きく息をついて一塁側ベンチへ歩を進めた。「７回、８回のピンチで神経を使ったのでバテました」。３年ぶりの完封勝利はならなかったが、５月１３日の楽天戦（ベルーナドーム）以来となる５勝目に「苦しい日が続いたので、きょうは何とかゼロで抑えられてよかったです」とお立ち台で声を弾ませた。

　４勝目を挙げてから５試合勝ち星なし。この間、流れを変えようと様々なことを試みた。この日はイニング間のキャッチボールをせず、ベンチの奥に座り静かに目を閉じて沈思していた。「自分を落ち着かせる意味でもやってみようかなという感じで。やるべきことに集中しようというところで集中してます」。気持ちを整えて７回２死満塁、８回１死一、二塁のピンチを切り抜けた。

　最速１５５キロの速球にキレのあるスライダー、フォークボールを軸に楽天打線を４安打、無失点に抑えて、防御率は１・９２でリーグトップに。「ヨッシャー」と笑みを浮かべた。チームも３連勝で楽天と入れ替わって最下位脱出。「チームの雰囲気はすごくいい。まだまだあきらめていないですし、あしたはスミ（隅田）が勝ってくれると思います」と２５日先発の左腕・隅田に今季２度目の４連勝を託した高橋。反撃へ、エースの力は欠かせない。

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